【あきののろるにっき#30】LJL 2020 Summer Finals ドラフトの裏に見えた、両チームの見えない攻防。
こんにちは、あきのです。
長かったような短かったような、ついにLJL 2020 Summer Splitが閉幕してしまいましたね。
DFMが2018年のSummer Splitから護り続けてきた王座がついに陥落。
そして、新たなナンバーワンに輝いたのはV3 Esportsでした。
かつては国内で栄光に輝きながらも、2018年のSpring以降は優勝から遠ざかっていたPaz選手。
台湾の名門Flash Wolvesから移籍し、チームを引っ張ろうとするあまり春には突出することも多かったBugi選手。
短い期間ながらもDFMでSubとして過ごし、Ceros選手の背中を見ていたAce選手。
今期からのプロデビューで、右も左もわからない中で初めての経験に苦労していたArcher選手。
そしてAKIHABARA ENCOUNTで2018年にLJL CSデビューして以来、日陰を歩むことが多く、時には選手ではないと間違えられることすらあったRaina選手。
様々な苦しみを乗り越え、Hw4ngコーチ、SONコーチ、そしてフロント陣と共に遂に日本一の栄光を掴んだ彼ら。
彼らとDFMのドラフトは、まさに目に見えない干戈の交わりでした。
BO5のラスト、行きつくところまで行った全5ゲーム。
今回は、その中でも特に応酬の激しかったGame1、Game4、Game5のドラフトについて、互いのコーチによるドラフト勝負という不可視の刃での斬り合いがどのように行われていたのかを推察していきたいと思います。
1.Game1
(1)ファーストバンフェーズ
①V3 Esports
1バン目のハイマーディンガーはCeros選手のターゲットバン。
ハイマーディンガーはそもそも使い手が非常に稀少なうえ、チーム単位でMid運用しているところとなるとDFMを除いて皆無であるため、対策が非常に打ちづらいチャンピオンです。
ゆえに、情報の非対称性という側面でMidレーンでの不利を確定させたくないのであればバンが安定の選択肢となります。
3バン目のレオナはGaeng選手のターゲットバン。
Gaeng選手の場合はレオナをバンしてもバード、ノーチラス、(少しTierが下がって)ラカンでもエンゲージが十分可能であるため、単体では効果の薄いバンとなっていますが、仮にバードやノーチラスであれば後述するパンテオンでレーンから圧力をかけていく狙いを持っていることから、十分な殴り合いをしてくるレオナを封じたい狙いがあったのでしょう。
2バン目のレネクトンは少し複雑です。
可能であればV3は自身でレネクトンを使いたいですが、ファーストピックで取ってしまうとEvi選手に得意ピックのナーを当てられてしまいます。かといって逆にファーストピックで取らないとEvi選手に取られ、レーンをドミネートされてしまう。この非対称性から、V3としてはバンせざるをえない状況だったと思われます。
②DetonatioN FocusMe
1バン目のガリオはAce選手へのターゲットバン。
Ace選手はレギュラーシーズンでガリオを使い、類まれなパフォーマンスをたたき出しています。使えばレギュラーシーズン必勝(5勝0敗)、バンされた回数はレギュラーシーズン+プレイオフの23ゲーム中14ゲームというとんでもない成績。
2バン目のセトは、4レーンフレックス(Bugi選手の役割的に使うかは疑問ですから実質3レーンですが)というのもありますが、なによりもRaina選手のターゲットバンでしょう。
こちらも使えばレギュラーシーズン必勝(4勝0敗)、バンされた回数はレギュラーシーズン+プレイオフの23ゲーム中10ゲームという成績です。
3バン目のケイトリンは、現パッチにおけるADCのダントツTier1。ファーストピックの権利が無いレッドサイドのDFMとしてはバンも仕方のないところです。
(2)ファーストローテーション
期待されたGame1のファーストピック。V3は準備してきたチャンピオン、パンテオンをピックしました。
パンテオンはTop,JG,Mid,Supの4レーンフレックスであり、序盤から強く、なおかつADダメージディーラーである彼をTopやMidをちらつかせることでJGにTierの高いリリアを自然に置きやすくなるという、現パッチに非常に合ったチャンピオンです。
対するDFMは先出しで安定するADCのセナと、V3のBugiの影響力を削ぐことを狙ってファーム系JGのニダリー。
それを見たV3は、Bugiキャリーが実現できるチャンプ、リリア。リリアは前述の通りパンテオンと相性が良いことに加え、ニダリーに中立クリープを奪われない速度でジャングリングすることができると共に1v1でも負けづらく、更にはLv6以降にエンゲージもダメージディーラーも担えるという良いことづくめのTier1ジャングラーです。
加えてV3は、Archer選手の得意ピックであり、UltによるエンゲージとEの視界確保によって序盤の安定性を確保できるアッシュを選択。
DFMは最後にCeros選手であればMid先出しでも安定する得意チャンプのニーコをピックし、ファーストローテーションを終えました。
(3)セカンドバンフェーズ
①V3 Esports
さて、みなさんもご存じの通り、V3はFinalsに赴くにあたり、Topサイオンという秘策を用意していました。
ファーストローテーションが終了した時点で、DFMのキャリーはMidニーコ、ADCセナでほぼ確定。キャリー二人がDPSに乏しいため、育ったサイオンがどうやっても溶かせませんからピックのチャンスです。
DFMとしては、サイオンの影響力を削ぐにはTopにカウンターピックを当て、レーンをへこませて集団戦で仕事をさせないことが一番です。ゆえに、V3はそれの防止を目的として、サイオンを一方的に殴ることができ、Evi選手の得意チャンプでもあるナーをバンしました。
2バン目のラカンバンの狙いですが、まず、後述の通りDFMがスレッシュとノーチラスをバンしたことからSupでエンゲージ可能なチャンピオンはラカンとバードに限られます。
そして、(このシリーズを通して言えることですが、)V3はDFMのGaeng選手になるべくバードかラカンの選択を迫りつつ、Game5で説明する例外を除いてバードを強制させる方針を持っていました。
以上から、バードを使わせるためにラカンをバンしたのでした。
②DetonatioN FocusMe
DFMはパンテオンをSupに寄せることを目的としてスレッシュとノーチラスをバン。
これで、ソロレーンにパンテオンを置かれた際のパンテオン-リリアのキルプレッシャーを緩和しつつ、V3のTopにタンクを置かせる腹積もりです。
(4)セカンドローテーション
DFMは、タンク同士の殴り合いならパッチ10.16でシールドが強化されているシェンが有利とみてピック。ニーコのUltにUltを合わせることで、エンゲージ・ディスエンゲージを強化できるというのも強みの一つでしょう。
このシェンピックは、おそらくV3のTopピックをオーンと読んでのことではないでしょうか。
しかしV3がAceの得意チャンプ、ルブランと共に選択したのはサイオン。そしてこのピックがゲームの帰趨を決定付けました。
ラストピックでDFMはTop運用予定であったシェンをSupに送り、カミールをピックしてサイオンの影響力を削ぐことも考えましたが、最終的にはエンゲージ不足を憂慮してかSupにバードをピック。
これではサイオンを溶かすビジョンが見えないため、ゲームの中ではセナが脅威アイテムを積み、サイオンを無視してV3のキャリーラインを先に溶かす作戦に出ましたが、最終的にはPaz選手の巧みなサイオンさばきによって集団戦でのエンゲージを許してしまいました。
結果、どう頑張っても落ちない要塞を前に屈したDFMが1ゲーム目を落とすことに。
このゲームは、まさしく準備してきたピックをいかんなく発揮したV3のドラフトが輝いたと言えるでしょう。
2.Game4
個人的にはこのGame4が一番白熱したドラフトだったと思います。
1-2のビハインド、優勝までに逆リーチをかけられた状態でこのGame4を迎えたV3は、ドラフトの内容を大きく変えてきました。
(1)ファーストバンフェーズ
①DetonatioN FocusMe
Game1と同じくAce選手のガリオ、Raina選手のセトをバン。
DFMはGame1をレッドサイドで迎えたため、OPチャンプのケイトリンを残る1枠で消していましたが、今回はブルーサイドなのでバン不要。
レッドサイドのV3がバンしなければファーストピックで取れるため、代わりに1ゲーム目を決定付けたサイオンをバンします。
②V3 Esports
対するV3はCeros選手のハイマーディンガーバンは変わらないものの、Game2にオープンした結果暴れられてしまったGaeng選手のレオナ、そしてGame1からGame3まで終始エンゲージ・カウンターエンゲージの面でDFMにユーティリティをもたらし続けていたCeros選手のニーコをバンします。
これによりOPチャンプのケイトリンは開けてしまいますが、一方でGame1からGame3まで終始ドラフトのバン枠を占有し続けていたレネクトンを同時に開けられるというメリットも手に入れました。
(2)ファーストローテーション
DFMは当然OPチャンプのケイトリンをピック。
対するV3は、敢えてオープンにしていたレネクトンをピック。前述の通りケイトリンとレネクトンを同時にオープンしたのはV3の作戦で、DFMがレネクトンを取ればこれ幸いとOPチャンプのケイトリンをピックし、DFMがケイトリンを取ればレネクトンを取る腹積もりでした。
ここのポイントは、V3としてDFMがファーストローテーションの残り2ピックでナーのピックを誘っていること。
以下、少しややこしいですが、V3としては、DFMに2,3ピック目のいずれかでニダリー(Bugi選手の得意チャンプ、かつレネクトンとの相性が非常に良い)のピックをほぼ強制しています。
よって、残り1枠にナーを使わせてしまえば、返しにリリア(Bugi選手ならエリスでも良いかもしれません)をピックし、次いでセカンドバンフェーズでケイトリンと相性の良いモルガナ、エンゲージの要となるラカンをバン、更には4ピック目でノーチラスを取り上げてしまえば、DFMにバードのピックを強制し、かつラストピックでMidのCeros選手にカウンターを当てるという道筋を描ける寸法です。
しかしDFMもさるもの。ここでのナーのピックはドラフト上の不利を背負うことにつながるため、Midを先出しでピック。おそらくここでピックしたかったのはニーコでしょうが、ファーストバンフェーズでバンされているためやむなくアジールに。
対するV3はルブランよりもリスクが低く、またAce選手の得意チャンプであるゾーイをピックしました。
(3)セカンドバンフェーズ
①DetonatioN FocusMe
DFMはBugi選手の得意なキャリー系ジャングラーであるイブリン、そして、モルガナをバンされたことから、Bot Duoの安定性確保のためにキルポテンシャルの高いブリッツクランクをバンします。
②V3 Esports
対するV3は困ったことになりました。DFMがMid先出しのデメリットと引き換えにTopレーンのピックを隠したことで、ケイトリンと非常に相性の良いモルガナ、そしてレネクトンがレーン戦でドミネートしにくいボリベア、ナーの3体のうち少なくとも1体をバン漏れさせてしまうことが確定したのです。
V3側がまだMidをピックしていなければ、レネクトンをMidに逃がして(Ace選手はレネクトンを使えます)のドラフトも考えられましたが、あいにく既にゾーイで確定済。
緊急手段としては、ボリベアとナーをバンし、モルガナを自分たちでピックするという方法もありますが、アッシュ-モルガナではレーン戦でのキルプレッシャーがそれほど強くなくDFMのBot Duoに対抗しづらい。
結果としてV3はモルガナとボリベアをバンし、泣く泣くDFMへとナーを明け渡すこととなりました。
(4)セカンドローテーション
セカンドローテーションではV3がGame1,Game2に倣ってリリアをピック。
対するDFMはSupの選択肢としてバード、ラカン、ノーチラスの3体が候補に挙がるものの、V3のキャリーであるゾーイとアッシュに対するプレッシャーが大きく、かつケイトリンとの相性が良い(Ultで停止している足元にケイトリンの罠を設置することができる)バードをピック。
更に、満を持してEviの得意チャンプ、ナーをピックしました。
対するV3はラストピックにRainaの得意なフックチャンプであり、フロントラインを形成できるノーチラスをピックしました。
3.Game5
BO5最後のゲーム。V3がSengoku Gaming戦とFinals Game1で仕込んでいた布石が、遂に花開きます。
(1)ファーストバンフェーズ
①V3 Esports
V3はCeros選手のハイマーディンガー、ニーコに加え、レネクトンをバン。
同サイドでのゲームだったGame1、Game3ではニーコに代えてレオナをバンし、ファーストピックでパンテオンを取ることで、序盤からのプレッシャー、構成とドラフトの柔軟性を確保していました(Game1の解説を参照)が、そのドラフトで挑戦したGame3に敗れたこと、及びCeros選手のニーコを止めることを優先し、バンを変更したのでしょう。
②DetonatioN FocusMe
DFMは同サイドのGame1、Game3と変わらずAce選手のガリオ、Raina選手のセト、OPチャンプのケイトリンをバン。
(2)ファーストローテーション
レオナを開けたV3はファーストピックでレオナを選択。ここで開けてしまうとDFMにみすみす渡すこととなるため、やむなしのピック。(Raina選手はSummerでのピック回数ゼロのため、おそらくチームとしてもあまり好きでないのでしょう)
対するDFMはBugi選手の影響力を削ぐためのニダリー、そしてセナよりも序盤のキルプレッシャーが高いジンを選択。
それを見たV3は、Game1で良いイメージがあり、1人で強固なフロントラインとファーストエンゲージを兼ねられるサイオンに加え、先出しとなるMidにはAce選手の得意チャンプであるゾーイを選択。
DFMはファーストローテーションのラストピックに、ゾーイと対峙しつつも(Game1の反省を踏まえて)レイトゲームでサイオンを溶かすことができるアジールをピックしました。
(3)セカンドバンフェーズ
①V3 Esports
V3は徹底したGaeng封じに走ります。DFMにとってフレックスピックであり、Supportとして運用した場合序盤からアグレッシブなレーン戦が展開できるパンテオンをバン。
そしてGame5に来て初めてバードをバン。これまでは徹底してバードのピックをDFMに強制するドラフトを展開してきたV3ですが、Game5だけは事情が違います。自分たちでレオナをピック出来ているのです。
少しややこしい話になりますが、このパンテオンをバンした時点におけるDFMの有力なSup候補を見てみると、バード・ノーチラス・ラカンの3体。
しかし、ノーチラスではレオナとサイオンという強固なフロントライン2枚を乗り越えてV3のキャリーたるゾーイとアフェリオスへのエンゲージが難しいため、残るはバードとラカンの2体に限られます。
であれば、レオナで有利を取れるラカンを残すことでゲームを優位に進めることができるという考えで、V3は敢えてGame5だけバードをバンし、ラカンを強制したのでした。
②DetonatioN FocusMe
対するDFMは、Bugi選手のピックをリリアとにらんで徹底したArcher選手潰しを狙います。
Archer選手が得意とするアッシュ・カリスタというTierの高いADCをバンし、ゲーム内での影響力を削ぐ狙いでしたが、しかし彼には切り札がありました。
(4)セカンドローテーション
DFMはBotレーンでのキルプレッシャーを活かすため、味方を守ることのできるシェンをTopでピック。
対するV3はリリア、そしてアフェリオスをピックしました。
このアフェリオスピックによって、V3がSengoku Gaming戦とGame1で撒いていた布石、スワップ戦術が強烈に匂い立ちました。
詳しくない方のために説明すると、スワップ戦術とは通常ゲーム開始直後からBotレーンに送るADCとSupをTopレーンに送り込む作戦です。
ADC&Sup vs Topの1v2を強制することで、まさにアフェリオスのような序盤が弱いタイプのADCがレーン戦をスキップでき、安全にスケールできるようになるというのが長所です。
しかし、スワップ戦術を採用する際に注意すべきはTopレーンとBotレーンのタワーの固さの違い。
Topレーンのタワーはゲーム内時間が5分経過するまであらゆるダメージを半分にする効果を持っているため、互いにタワーを殴り合った場合、スワップしていない方のチームがタワーのプレートボーナスで優位に立つことになります。
そのため、スワップにあたっては相手ADCのタワーシージ能力の強弱が非常に重要になるのですが、DFMがピックしていたのはまさにタワーシージ能力が弱いジン。だからこそスワップ戦術が成立するのです。
そしてDFMが最後にピックしたSup、それはラカン。
レオナというカウンター相手でもピックせざるを得ない、V3に誘導された、苦渋のピックでした。
この最終ゲーム、ここまで周到に準備を重ねたV3は見事にゲーム内できっちりスワップ戦術を成功させ、アフェリオスに安全にゴールドをかき集めました。
そしてゲーム内時間で20分を前にアフェリオスにインフィニティエッジ、ルナーンハリケーンを完成させ、見事にFinals優勝を決めたのでした。
4.おわりに
いかがだったでしょうか。
Finalsともあって、V3はRaina選手のパンテオン、Paz選手のサイオン、(今回紹介しきれませんでしたが)Ace選手のオリアナ等、様々な秘策を準備してきました。
それらを裏に隠しながら、SONコーチとKazuコーチの間で繰り広げられた見えない刃の応酬。
そのすごさの一端だけでも、この記事を通して伝わればとても嬉しいです。
(文:あきのあまき)
【あきののろるにっき#29】スキンの世界を楽しもう!
こんにちは、あきのです。
最近はRTA の視聴をお供に仕事をしています。調べてみたらLoLのRTAなんてジャンルもあるそうで、いつか挑戦してみたいですね。
さて今回は「スキンの世界を楽しもう!」と銘打って、独特の世界観を持つスキンシリーズをいくつかピックアップしてみました。
意外と知られていないかもしれませんが、スキンというのは「そのチャンピオンが別の世界にいたら」というifの姿を表したもので、中でも複数のチャンピオンが同一テーマのスキンを持っているスキンシリーズでは、世界観がかなり深く設定されているものもあったり。
今回はそんなスキンシリーズの中から一部をピックアップし、ご紹介したいと思います。
もしお気に入りのチャンプがいたら、これを機会に是非購入してみてくださいね。
1.K/DA
(1)世界観
地球を舞台に活躍する、アーリがリーダーを務めるK-POPユニット。
アーリとイブリンがリードボーカル、アカリがラッパー、カイ=サがダンサーを務め、世界中のファンを虜にしている。
そんなK/DAは、今後も世界ツアーで自分たちの音楽を世界中の人々に届けたいと願っている。
現実のユニットともコラボし、2018年のWorld Championshipでは決勝戦のオープニングにも出演した。
(2)登場するチャンピオン
アーリ
K/DAのリーダにしてリードシンガー。
かつてはティーンエイジ・ポップスターとして「可愛らしさ」を売りにしていたが、自分のイメージを拭い去るために一度業界を離れ、カムバックした現在はエレガントなセレブという立ち位置に。
K/DAのメンバーと一緒でないときは、ショッピングをしたりお茶を飲んだりといった一面も。
イブリン
要求の厳しい歌姫として有名で、加入した音楽ユニットと袂を分かってきた過去も。
業界きっての「バッドガール」として有名だが、そのふるまいはあくまで自身を「タレントではなくアーティスト」と考えての結果であり、音楽に対する向き合い方は非常に真摯。
ちなみにチームの最年長。
アカリ
チーム最年少ながら、総合格闘技に独自のワイルドなラップ・リリックのビートを組み合わせた独自のパフォーマンスにより確固たる地位を築いている、ユニットのラップ担当。
初心を忘れずリリックに磨きをかけるため、世界的な地位を築いた今でも定期的に路上でパフォーマンスを行っている。
カイ=サ
2018年に香港の「キャン・ユー・ダンス」で優勝する等、若くして実績のあるリードダンサー。
アーリからは「K/DAのドリーマー」と呼ばれており、ユニットのリードダンサーとして活躍している。
(3)小ネタ
アーリは香水の独自ブランドを持っている。そしてキツネらしく戌年生まれ
イブリンが影響を受けたアーティストはPentakill カーサス
アカリは日本語が話せる。そして格闘技道場の家に生まれついたので、鎌の使い方に秀でており、バク転も得意。
カイ=サは幼い頃からケープタウン、ソウル、ニューヨークなど計10ヵ国に住んだことがあり、K/DA加入前最も長く住んだのは香港。ちなみに好きな食べ物は四川風野菜炒め
2.バトルアカデミア
(1)世界観
中学卒業までは何の能力もなかったエズリアルは、とある恐ろしい脅威に遭遇したことで眠っていた潜在能力が目覚めた。
超人的な能力を持つ人間だけが入学できる有名校、デュランダルアカデミーに入学した彼は、先輩のジェイスやカタリナ、教師のグレイブスやユーミ校長、そして秘かに好意を寄せる相手、ラックスたちと共に研鑽を積んでいくのであった。
(2)登場するチャンピオン
エズリアル
アカデミー1年生。バトルクラブ所属。突如目覚めた能力をひっさげ、魑魅魍魎はびこるデュランダルアカデミーに殴り込んだ、将来の成長が楽しみな少年。
ラックス
同じくアカデミー1年生(プレステージスキンでは2年生になっている)。ソーサリークラブ所属。新入生であるにもかかわらず、アカデミーの職員たちも驚かせるほどの魔力を持つ。
ジェイス
デュランダルのイケメン担当。2年生。学級長にして、世界的に有名な「ルミナリークラブ」の代表。
カタリナ
アカデミー2年生。アサシンクラブという、決闘で相手を殺すことを許可している唯一のクラブで筆頭メンバーを務める。
グレイブス
デュランダルの軍隊に従軍していた元兵士。葉巻を咥えたままやる気がなさそうに授業をする。
ユーミ
デュランダルアカデミーの校長先生。前の校長が二人連続で失踪したために、復帰まで代理を務めることになった猫。
(3)小ネタ
グレイブスは元兵士で、教授になることは望んでいなかった。なので教えることも子供も嫌い。
ラックスの両親はデュランダルアカデミーで働いている。
ジェイスは自分の発明品シリーズ「ジェイスブランド」のラインナップを持っている。
カタリナの父(デュ・クートウ)は元校長で、現在は失踪している。
失踪した校長の後釜に据えられたユーミは、アカデミーの登記簿に魔法の力を籠めることで、世界を破壊するほどのエネルギーを発生させられる。
3.PROJECTシリーズ
(1)世界観
そんな世界で企業戦争の最前線で非人道的な実験、そして己の野望のために人間の命を犠牲にする巨大企業「PROJECT」。
無理な身体拡張を施された結果、強大な力を得るのと引き換えに理性や記憶、精神が欠落してしまった者もいる。
その惨状を目の当たりにしたアッシュは、反乱組織G/NETICを率い、失敗作としてPROJECTから追放された人々や命からがら逃げだした流浪者達を保護し、ともに立ち上がった。
果たしてPROJECTは煩わしい反乱者どもを壊滅させることができるのか?
それともG/NETICは巨大企業の陰謀を阻止し、非人道的な振る舞いを世界からなくすことができるのか?
(2)登場するチャンピオン
マスター・イー
初期コンセプトモデルの一人。PROJECTに拘束されていたが、反乱組織のG/NETICによって解放された。
ワーウィック
不可逆の強化改造を受けた結果、暴力により他者を圧倒するモンスター兵器に。
現在、PROJECTを逃げ出した彼は、無差別に暴れまわる恐怖の存在となっている。
アッシュ
反乱軍であるG/NETICのリーダー。エコー等を見出し、巨大企業PROJECTに戦いを挑む。
イレリア
元はゲリラとしてPROJECTに抵抗。のちにG/NETICに加わる。
カタリナ
元はG/NETICの幹部だったが、アッシュと対立後にPROJECTに寝返り、下部組織のコマンドラインで暗躍中。
ヴェイン
極秘技術による身体拡張を受け、成功。しかしPROJECT側の裏切りにより反乱。
アカリ
最新の被験者。命からがら逃げ出し、反乱グループに加わる。
レオナ
PROJECTきっての重装甲戦闘員。イオンチャージシールドによる盾で反乱者をブロック・スタンさせる。
フィオラ
スピードに特化した身体拡張を受けている。G/NETICの一員で、ゼロパルス・ソードによる1v1が得意。
ヤスオ
戦場から帰ってきたら身に覚えのない罪を着せられていた苦労人。G/NETICに加わり、プラズマコーティングを施したブレードを華麗に振り回す。
ジン
身体拡張手術に失敗。悪名高い機会の殺し屋となってしまった。犠牲者から奪ったテクノロジーを埋め込んだことにより、人格に重度の断片化が生じている。
ジンクス
自ら身体拡張手術に志願した変わり者。しかし、不運にも改造手術中に停電が発生、記憶が壊れサイコパスに。
ルシアン
かつてPROJECTの下部組織、コマンドラインで活躍していたが、G/NETICに寝返り。イオンコア・ライトキャスター・ピストルを2挺ひっさげ、敵をなぎ倒す。
ゼド
コマンドラインから昇格し、PROJECTの対スパイ部隊のリーダーに。影ではなく、微粒子投影機「ソリッド・スモーク」により分身を作り出す。
エコー
下層セクター出身。アッシュによって見いだされた天才ハッカー。
ヴァイ
エコーと同じく下層セクター出身。用心棒をして生計を立てていたが、現在は町の平和を守る使者に。
パイク
PROJECT初期のプロトタイプの一人。
あまりの不安定性に廃棄が決定され、解体されたが自己再生したツワモノ。
(3)小ネタ
PROJECTが開発した初期コンセプトモデルはマスター・イーとパイク(他は現状不明)
カタリナが使う短剣の名前はハイパーエッジ・ダガー
ヴェインは極秘技術による身体拡張を受け、成功した珍しい個体。しかし反乱後、その極秘技術こそが自らの魂を縛り付けていることを知り、打ち破る手段を探している。
パイクはPROJECTによって破壊・解体・廃棄されたが、パイク自身の脳(サイバネティックブレイン)は周囲のスクラップを使って無理やり自己再生した。それがゆえに、スクラップに残ったいくつもの記憶がパイク自身のそれと混ざり合い、記憶が混濁している。
(文:あきのあまき)
【あきののろるにっき#28】隣の芝からLJLを考える(後編) ―将棋業界の施策について、LJLへの応用を考えてみる―
こんにちは、あきのあまきです。
今回は前回の記事(前編)の続きですので、いきなり本編からどうぞ。
- 1.前回のおさらい
- 2.AIDMAモデル ~人が対象を知り、購入するまでの心理状態~
- 3.Interest(関心):LJLに関心(興味)を持たせるには
- 4.Action(行動):実際に観戦し、リピーターとなってもらうには
- 5.おわりに
1.前回のおさらい
前回の記事 では、LoLというゲームには初見で楽しめないという難点があることを課題として挙げたうえで、同じ苦しみを長らく味わってきた「将棋」が人口減少の歯止め・若年層の取り込みのために
- 今どちらが有利かを可視化する技術を有効活用すること
- 将棋そのものよりもプロ棋士が持つストーリーに焦点を当てたこと
- 将棋人口増加のために『カジュアル層』の増加を受け入れたこと
などで一定の成功を収めたことを紹介しました。
そのうえで、今回の記事ではこれら将棋業界での施策をなるべく低コスト(費用・時間)でLJLに応用・適用し、観戦人口を増加させるアイデアとしてどのようなものがあるかを、あえて運営になりきって考えてみたいと思います。
そのために、まずは「人がどのようなプロセスで新たなモノに誘引される(今回の場合はLJLを観戦する)」のかを考えてみましょう。
2.AIDMAモデル ~人が対象を知り、購入するまでの心理状態~
AIDMAモデルとは人の5つの心理状態からなるモデルで、
- Attention(認知):対象を知る
- Interest(関心):対象に関心(興味)を持つ
- Desire(欲求):対象が欲しいと思う
- Memory(記憶):対象のことを記憶する
- Action(行動):実際に購入する(可能であればリピーターとなる)
という「人が対象を知り、購入するまでの心理状態」を表したものです。*1
今回の記事の趣旨に沿って言い換えるのであれば、
- Attention(認知):LJLの存在を知る
- Interest(関心):LJLに関心(興味)を持つ
- Desire(欲求):観戦したいと思う
- Memory(記憶):LJLのことを記憶する
- Action(行動):実際に観戦する(可能であればリピーターとなる)
となるでしょうか。
ここで言いたいことは、実際にLJLの観戦人口を増加させるには、上記の5つの心理状態をバランスよく喚起する必要があるという事です。
とはいえ全てを書くには記事が長くなりすぎてしまうので、今回は「Interest(関心):LJLに関心(興味)を持つ」「Action(行動):実際に観戦する」に絞って考えてみたいと思います。
3.Interest(関心):LJLに関心(興味)を持たせるには
(1)LJL(LoL)そのものよりも選手のストーリーに焦点を当てる
前回の記事で書いた通り、将棋には「観る将」という概念があります。
「観る将」は将棋をほとんど指さず、主にプロ棋士の対局を観戦する勢力なのですが、LoLにもサモナーズリフトやハウリングアビス等には行かずにLJLの観戦のみを行う層が一定数おり、(その割合はともかくとして)この点で両者は非常に似通っています。
つまり、LJLにはLoLというゲームを介さない、またはそれをメインとせずとも誘引できるだけのコンテンツ力があるということです。
ところで、これまた前回の記事で書いた通り、2016年にはLJL UNLOCKED、2017年にはLJL DRAFT QUIZという映像コンテンツがありました。
こういった、LJLを詳しく知らなくても(極端に言えば、LoLを全く知らなくても)楽しめるコンテンツを用意することがLJLに関心(興味)を持たせるのに必要なもののひとつです。
というわけで、ありきたりではありますが、既存のチームや選手に密着した動画を制作するのは非常に有力な一手となりえるのではないでしょうか。
その動画では、どの選手が何のチャンピオンが得意かなどといった情報は一切不要です。好きな食べ物や生活様式、そして人となりが分かるような動画こそが、LJLを全く知らない人間を誘引するんですから。
加えて、それなりのコストがかけられるのであれば、かつてEvi選手がRampage所属時代に密着取材を受け、BSジャパンで放送されたドキュメンタリーのような形式をとっても面白いでしょうね。
(2)(選手のストーリーも含め、)LoL以外に関心の軸をずらす
将棋業界が人口減少の歯止め・若年層の取り込みのために開催した将棋電王戦においては、「将棋そのもの」ではなく「人間 vs AI」を前面に押し出し、若者向けのプロモーションに成功しました。この方法をLJLでも採用するのはどうでしょうか。
例えばMSIやWCSといった世界大会。よくあるコンテンツではありますが、それだけ「国・地域の対抗戦」というのはLoLを知らない人を誘引する強力な武器の一つになりえます。
世界戦でLJLと因縁が深い相手として1チーム挙げるとすれば、オセアニア(OPL)のDire Wolvesがあります。残念ながら今Splitにおいてはプレイオフで敗れ、WCSへの出場は叶いませんでしたが、彼らは古くから頻繁にLJLへtrash talkを仕掛けてきました。
実力も十分にあり、LJL代表とは幾度となく世界大会で相まみえた実績がある等、ライバルと呼ぶに不足ない関係でしょう。
まだWCSで戦う可能性があるところで言えば、LECのMAD Lionsもそうでしょう。
昨年はSplyceというチーム名でWCSに出場していたMAD相手に、LJL代表のDFMは完勝と言える戦いぶりでLJLの対メジャーリージョン初勝利を挙げました。そういったところでも「日本 vs EU」という構図が作れそうです。
4.Action(行動):実際に観戦し、リピーターとなってもらうには
(1)有利・不利の可視化技術を有効活用する
前回の記事でも触れたとおり、LJLには既に有利・不利の可視化技術があります。それがiBlitzClank君。
最近は手首がちぎれそうなほど手の平を返すことで有名な彼ですが、現在は「ゲーム開始時、15分時点、20分時点等の節目のタイミングでしか表示されない」という弱点があります。
ゆえに、LJLの解説が分からない人には「今現在、どちらが有利なのか」が分からないのが現状です(解説で十分だろうという突っ込みには前回触れていますので、そちらを読んでください。簡単に言うと、LJLの解説はある程度LoLが分かっている人向けのものだという話です)
そこで、iBlitzClank君の常時表示をしてみるのはどうでしょうか。
リプレイ表示時等の例外を除き、原則的に常時表示とすることで、それこそ「ネクサスを割ったら勝ち」くらいの事しか知らない視聴者でも楽しめるコンテンツとしての土台が作りやすくなります。
現在のiBlitzClank君は(観客として見えている範囲では)少なくとも2分ごとにデータを取っているように見えます。その頻度を増やすことは、おそらくマシンパワーを増強するコスト程度での実現が可能で、割とすぐに適用できる施策ではないでしょうか。
(2)初めての視聴者が観戦しやすい土壌を作る
例えばTwitchにおけるチャット欄。
現在のTwitchチャット欄は、お世辞にも品の良いものではありません。
これを「統制」という形で治める(平たく言うとモデレーター権限でBANする)のではなく「文化」という形で昇華することで観戦しやすい土壌を作ることも、新規勢に観戦・リピーターとなってもらうには必要な作業と思います。
「それをTwitchのキッズたちに求めるのは……」という諦めは筋違いでしょう。実は実際に一部は出来ているんですから。
出前館のCMが流れれば「サンキューハマタ」とコメントを打ち、(少し古いですが)TFTモバイルのCMが流れれば「エイッwwwティーエフティーモバイルwwwドゥドゥドゥンジャwwwドゥロロロwwwゲレクシwwwドゥドゥドゥンジャエイッwwwティーエフティーモバイルwwwドゥドゥドゥンジャwwwドゥロロロwwwゲレクシwwwドゥドゥドゥンジャwww」と長文を繰り出すのは視聴者発祥の「文化」です。
これを公式側が作り出せるようになればいいのです。(正確に言えば、作り出せるような素材を提供できればいいのです)
但し、この「文化」を作るというのは非常にコスト(時間)がかかります(そういう意味では、アイデアとしてふさわしくないのかも)。
一朝一夕で作り上げられない(そして、公式側だけでは絶対に作り出せない。それをやると「統制」になってしまう)がゆえに、なるべく早く、そして持続的に実施していく必要があろうかと思います。
5.おわりに
今回は「仮に私が運営側の人間だったら」という仮定的な立場に立って、LJLの人口増加に寄与できるアイデアを考えてみました。
おそらくこのブログ記事が運営の方に読まれることは無いでしょう。だからといって、無意味な記事になったとは思っていません。
私の中で改めて「LJLが好きな人を増やすには」という考えを整理するとても良い機会になりましたし、更には今回整理した内容をいちプレイヤー、いち視聴者として応用することもできるからです。
応用方法としては、友人にLJLを紹介するときに「ゲームの内容」ではなく「選手の紹介」から入るのも良いでしょう。チャット欄で自らミームづくりに挑戦するのも悪くありません。
それぞれが「少し面白いこと」をできれば、今よりLJLが「少し面白くなる」かもしれませんから。
(文:あきのあまき)
【あきののろるにっき#27】隣の芝からLJLを考える(前編) ―将棋はいかにして「初見さんお断り」を乗り越えたか―
こんにちは、あきのです。
今回はちょっと真面目な記事。LJLの観戦において私が勝手に課題だと思っている点について、お隣さんのゲーム(将棋)がどうやってクリアした(あるいはしようとした)のかを考察しました。
1.私がLJLの課題だと思っていること
(1)LJL観戦は初見では楽しめない。
LJL観戦は敷居が高く、LoLの知識が乏しい状態の初見では楽しめません。それは「何が起こっているのかわからない」から。
より正確に言えば、「いまどちらが有利なのかが分からない」からです。
(2)そんなことない…?
そんなことないよ?という人もいるでしょう。例えば以下のような反論がすぐに思いつきます。
①グローバルゴールド差という分かりやすい指標がある?
確かにグローバルゴールド差は定量的な指標の一つです。しかし、必ずしも勝利に直結する指標というわけではありません。
有名な例外としては、オーンが挙げられますよね。グローバルゴールド差に反映されない有利をパッシブでチームにもたらすことができます。
また、そこまでミクロなところに焦点を当てなくても、互いのチーム構成によってグローバルゴールド差の評価に差が出るのは納得感のある話だと思います。
レイトゲーム志向であれば、ゲーム時間20分時点でイーブンなら実質有利。レベル16で凶悪なパワースパイクを迎えるカサディンにいくつかキルでも入っていれば、2000ゴールド程度ビハインドを背負っていたとしても万々歳かもしれません。
②実況・解説がいてくれる?
一面ではその通りです。
現在LJLを実況・解説してくださっている方々の説明は非常にわかりやすく、明快です。そこに疑問の余地はないでしょう。
一方で、実況解説はある程度LoLの知識がある視聴者に向けた内容となっています。*1
ガレンのEがぐるぐる回ることやファントムダンサーにシールド効果があることまでわざわざ解説しません。ゲーム内に話せる時間(リソース)は非常に限られていますし、視聴者の大部分が理解している事柄に何度も言及するのは全体的な視聴体験を損なうからです。
しかし、それがゆえに、知識が乏しい状態の初見では楽しめないのです。これは実況解説の巧拙ではなく、純粋に構造的な問題です。
③ゲーム内容だけがLJLの楽しみ方じゃない?
全くその通りだと思います。私も以前、「初めて観戦する人には、ゲームの内容よりも選手やチームの情報を楽しんでもらうのが先」という主旨を含んだ記事を書きました。
しかし、現在のLJLシーンは「選手やチームの情報を楽しんでもらう」ための情報提供が以前に比べて不足してきているように感じています。
例えば2016年。LJL UNLOCKEDという動画シリーズがあり、各チームのゲーミングハウスの内部や休日の選手の活動等にスポットライトを当てていました。
例えば2017年。LJL DRAFT QUIZという動画シリーズがTwitterで公開されました。
この中では、バンピックの形式を借りながら各選手の好みやチームメイトの関係、裏話等が引き出されていました。
それ以降は? 単発の動画等はありましたが、LJLとしてプロシーンの選手・チームのひととなりに焦点を当てたストーリーの制作は無かったように記憶しています。
(3)LJLが提供し始めた解決の糸口。
「選手・チームのストーリー」については後述するので一旦置いておいて、まずは「いまどちらが有利なのかが分からないから観戦が面白くない」問題についてお話ししましょう。
この課題に対し、LJLは近頃解決策を導入しました。
それがAIのiBlitzcrank君です(正式名称は何なんだろう……?)。
iBlitzcrank君は一定タイミングでの勝率予想を算出し、「今どちらが有利か」を可視化してくれます。
この「今どちらが有利かを可視化する技術」。これを有効活用することで、かつて人口減少の歯止めに成功したゲームがありました。
それが、今回メインでお話しする「将棋」です。
以降では、「隣の芝」である将棋業界における新規人口の取り込み事例を元にして、「LoLのプロシーン視聴人口を増加させるにはどのような施策が打てるのか」を考えてみたいと思います。
2.「初見さんお断り」の悩み。将棋は長らく同じ苦しみを味わってきた
(1)趣味の「おじさん化」
娯楽の多様性が増していく世の中で、伝統的な娯楽である将棋も長らく人口減少の歯止めに苦しんできました。中でも、若年層の人口は危険水域にありました。
少し古い資料ですが、公益財団法人 日本生産性本部が出している「レジャー白書2018」を紐解いてみましょう。
デビュー後29連勝を飾った藤井聡太七段(現・棋聖)というスターが登場した2017年にあってすら、将棋人口のうち、一般に中年と言われる40代以上の人口が2/3を占めていました。*2
(2)将棋の観戦は基本的に「ヤムチャ視点」である
ところで、将棋というのは非常に難解なゲームです。実現可能な局面数はおよそ10の68乗ほどあると言われ、一般の素人では5手先を読むのもいっぱいいっぱい。一方、プロ棋士は(直線的な読みなら)数十手先まで読めるとも言われます。
ゆえに、プロ棋士が指した一手にどのような意味が含まれているのかを観戦者が理解するのは非常に困難。
つまり、「将棋のソロ視聴」はヤムチャ視点で戦いを眺めるだけの、基本的に楽しくない行為なのです。
(3)将棋業界の伝統的な対策と"新手"
将棋業界*3はこれに対して主に2つの解答を用意しました。1つは「解説者の配置」、そしてもう1つは「将棋の視聴に他の楽しみを用意する」という手段です。
一つ目の解説者の配置は分かりやすいですね。対局者と同等の力量を持つプロ棋士が、対局者が指した手の意味を初心者でも分かりやすいように説明してくれます。
二つ目には解説が必要でしょう。将棋というゲームはどれだけかみ砕いて解説してもやっぱり難解さが残り、話についていけなくなることがあるのです(そこが魅力でもあるのですが)。
そんな人でも将棋の「視聴」が楽しめる(いわゆる「観る将」になる)よう、将棋中継では色々な施策が試されています。例えば
- 対局者が注文した昼食やおやつの紹介
- 対局者に関するエピソードの開陳
- プロ棋士の日常生活の公開
などなど。
「将棋」自体が楽しめなくても、将棋の「視聴」が楽しめる(将棋は指さず、主に観戦だけをする「観る将」になる)よう工夫がなされており、これで将棋人口が増えればハッピー、というわけです。(余談ですが、将棋というゲームはめちゃくちゃ長く(最長の棋戦では両者合わせて18時間の持ち時間がある)、単に対局者が指した手を解説するだけではとても場が持たないのを回避する意味もあります)
そして、将棋界がこの「将棋人口(「観る将」含む)の増加」と「若年層の取り込み」を意図して放った一大イベントが、「将棋電王戦」でした。
3.将棋電王戦とは
将棋電王戦とは、株式会社ドワンゴが主催した非公式の棋戦です。
一目見れば「休日にやってる将棋棋戦とは全然違う」と分かるPV動画がこちら。
この棋戦の特徴を列挙すると以下の通り。
- 将棋とは全く関係のない「人間 vs AI」を全面的にプロモーションに押し出した。(特にこの第二回は、人間をベビーフェイス(善玉)、AIをヒール(悪玉)にする等の手法を用いました。下の画像で前面に眼鏡を光らせているのが将棋AIの開発者さんです)
- 「将棋」よりも「将棋の視聴」=「プロ棋士が持つストーリー」に焦点を当てた。実際、各対戦において「あおりPV」が用意され、人間・AIのバックグラウンドが分かるように工夫されている。
- 局面の有利・不利を数値化して表示する将棋AIを常に画面に表示した。
- 全体的な演出を電子画面チックにし、従来の伝統性とは別の切り口を描いた。
4.将棋電王戦のねらい
(1)将棋電王戦の特徴の整理
将棋電王戦は、前述の通り「将棋人口(「観る将」を含む)の増加」と「若年層の取り込み」を狙って開催されたものです。
その観点から見ると、前述の特徴は以下の狙いを持っていたように思われます。
- 「プロ棋士が持つストーリー」に焦点を当てた
→「観る将」の増加
- 局面の有利・不利を数値化する将棋AIの常時表示
→「観る将」の増加
- 全体的な電子画面化→若年層の取り込み
→若年層の取り込み
特に2つ目、「将棋AIの常時表示」は大きなパラダイムシフトでした。これが「観る将」の人口増加に一役買ったことは間違いないでしょう。
なにせ、将棋を全く知らない人でも、たとえ今解説が局面と別の事を話していたとしても、視聴を始めた瞬間に現状でどちらが有利なのかが分かるんですから。
「人間 vs AI」という将棋に全く関係ないプロモーションで流入してきた「初見勢」をキャッチするには十分すぎるほど敷居を低くできました。
(2)「カジュアル層」が入ってくることの受容
これは明確な論拠を示せるわけではないのですが、将棋業界は将棋電王戦を通して公に「カジュアルに将棋と付き合う層」の受容に舵を切ったように感じています。
「基本的に観るだけ。将棋はたまーに指す程度」で、「それまでは『先生』と呼ばれ尊敬されていたプロ棋士を『てんてー(藤井猛九段)』『みうみう(三浦弘行九段)』『将棋の強いおじさん(木村一基王位)』と呼び、『かわいいもの化』してしまう」カジュアル層の受容。その意思決定も、将棋人口減少に歯止めをかけた一手であったように思います。
(3)AIは解説者の地位を貶める?
ところで、一時この将棋AIには賛否がありました。
「ばっさりと局面を数値化してしまうこと、今後の展開をAIが予想することは、それまでその役割を担っていた解説者の地位を貶めることにならないか?」という指摘です。
結論から言えば、この指摘は全くの杞憂でした。
勿論、登場した当初こそ新たな仕組みの導入に困惑するプロ棋士もいましたが、すぐに業界の大部分が順応し、現在では地位を貶めるどころか、プロ棋士が解説をする上での助けとなる有用なツールとして活用されています。
また、そもそもプロ棋士の解説には独自の長所(対局者の背景エピソードを語ったり、ちょっとした将棋小噺をしてみたり等)があります。対局者が選んだおやつの意図を解説できるようなAIの開発にはあともう少し時間が必要である以上、今以上に解説者の地位が脅かされるという事態はしばらく来ないでしょう。
5.この記事のまとめ
ここまでの内容をまとめると以下の通りです。
- LoLは初見で楽しめない。それは「何が起こっているのかわからない」「いまどちらが有利なのかが分からない」から。
- 将棋も同じ苦しみを長らく味わってきた。特に人口減少の歯止め(新規人口の流入)と若年層の取り込みは喫緊の課題であった。
- その課題解決に向け、将棋業界が放った起死回生の一手が将棋電王戦だった。
- 将棋電王戦では徹底して将棋を「観る」ための工夫がなされ、特に局面の有利・不利の数値化し、常時表示することが大きなパラダイムシフトにつながった。
- 加えて、将棋人口増加のために「カジュアル層」の増加を受け入れたことが、将棋人口減少に歯止めをかけた一手であった。
次回の後編では、この記事で紹介した将棋業界での施策を、なるべくコスト(費用・時間)を掛けずにLJLで応用・適用するアイデアとしてどのようなものがあるかを考えてみたいと思います。
(文:あきのあまき)
【あきののろるにっき#26】ユニバースに関するラジオ動画「Ro4mとあきののるーんてらじお!」を作った話。
こんにちは、妻がモルデカイザーのEのことを「よくばりハンド」と呼ぶのに毎回笑ってしまうあきのです。
さて、実は10日ほど前に、ユニバースの世界観についてあれこれとだべる動画「Ro4mとあきののるーんてらじお!」を録りました。
ルーンテラの物語が好きすぎてともだちのあきのあまきさん(@AkinoAmaki_LoL)を巻き込んでラジオを録りました。連休中暇になったら聴いてみてくださいhttps://t.co/gwdXcKKXHy
— ろまんと (@Romanto135) 2020年7月23日
今回の記事では、「なぜこの動画を収録したのか」や「やってみて感じたこと」等を簡単にまとめたいと思います。
1.何故この動画を収録したのか
(1)なんか面白そうだった
一番の理由。1ヶ月ほど前にろまんとさんに誘われて、「なんか面白そう」ということで即答。
こういった活動はしたことが無かったので、「台本作り」→「推敲・打合せ」→「収録」→「編集」を一貫して実施したのは初めて。とても良い経験になりました。
(ちなみに音声編集だけはろまんとさんにお願いしました。ty!)
(2)ユニバース関係の動画は1人で録っているものが多かった
「ユニバースと言えばこの人」的な存在、katsudionさんもそうですが、ユニバース関係の動画は割とソロでお話しする(または棒読みちゃんを使用する)ものが多く、複数人であれこれとだべる形式があまり見当たりませんでした。
実際にやってみれば、一人でやるときとの比較でメリット・デメリットが見いだせるかも?と思ったのも理由の一つです。
(3)ラジオ形式の動画を録ってみたかった
これは完全に個人的な話ですが、最近読んだ本の影響で「ラジオ形式の動画を録ってみたいなー」という波が来ていました。
元々おしゃべりをするのは好きなので、渡りに船とばかりに話に乗っかり、(ろまんとさんに断りなく)ラジオ形式の台本を仕上げて投げつけたという経緯があったり。
2.やってみて感じたこと&反省
(1)ネタ作りとおしゃべりは楽しい
「どんな台本にしよう?」とガリガリ書いては推敲して書き直す作業をしている時と、本番で実際に話している時が間違いなく一番楽しいです。
(2)編集はめんどくさい
一方で、編集はとてもめんどくさい。
台本作成の段階でどういった画像を出すのかやBGM、効果音(SE)等を大体決めてあったこともあり、割と機械的な作業になったので、事前に思っていたほど創作的な余地が大きくありませんでした。
とはいえ、事前にある程度の内容を決めておかなければ編集内容に統一感が無くなってしまう(動画の最初と最後で編集のニュアンスが変わってしまったり等)おそれもあるので、「編集段階で初めて編集内容を考える」のは一長一短かもしれません。
(3)台本は作りこみすぎない
今回の収録に当たってあれこれと事前に調べたところ、本来のラジオの台本というものはかなりざっくりと作ることも多いそうです。(例えばデマーシアでの魔法忌避の話をする場合、「ラックスとサイラスのストーリーを絡めて話す」くらいしか台本に書いていないようなイメージ)
今回は収録した2人が共に素人という事もあってかなり詳細なセリフまで落とし込んで台本を作成しましたが、良い意味での「遊び」が無くなってしまったように感じたので、次回作成の際はもっと簡単な内容にした方が結果的に面白いものになりそうです。
(4)音声ノイズは気を付ける
私の声にブレスノイズ乗りすぎ。
私が話すとあまりにノイズが乗ってしまい、今回の収録はほとんどの部分を何度かやり直してしまいました。
機材に関する工夫が足りなかったのが原因の一つだったので、次回はマイクを新規購入して対応しようと思います。
3.次のネタは何にしよう?
今回は割と真面目(本当に???)な内容にしたので、次は一転して面白さに振り切った動画にしようと思います。
気長に待ってていただけたら嬉しいです。
(文:あきのあまき)
【あきののろるにっき#25】Cloud9が繰り出した最先端メタ、ソナラックスに対するTeam Liquidの顔面カウンターパンチ
こんにちは、あきのです。
先日、LCSのCloud9 vs Team Liquid戦において、C9がソナとラックスのBot Duoという最先端メタを繰り出しましたが、TLが見事なカウンターパンチを叩き込み勝利を収めました。
この記事では、何故TLが見事なカウンターを決めることができたのか、その要因について考察したいと思います。
1.ソナラックスとは
ソナラックスとは、サポートアイテム(スペルシーフエッジ)を持ったソナとラックスのDuoでBotレーンを担当し、ゲーム内において他のレーンに置いたキャリーへソナとラックスのWによるヒールとシールド、更にアテネの血杯やアーデントセンサーのバフを付与することでゲーム全体をキャリーさせる構成のことです。
今EUWのGM~チャレ上位の間で流行っているソナラックスduo botのご紹介
— えりあ (@eria02) 2020年7月26日
どちらもsupアイテムを持ちダブルガーディアンでソナにはAPアイテムを持たせラックスには血杯アデセンを積みます
ソナを使ってる人が元々ソナタリックやラックスタリックbotで有名な変態です
プレイ動画:https://t.co/tFEzqKm9nM pic.twitter.com/ehHWnsub78
2.ソナラックスの強み・弱み
(1)長所
①シールド・サステインが豊富で、レーン戦でデスしにくい
マナの問題はあるものの、ソナのW、ラックスのWによるAoEシールド・サステインに加え、今回のC9はソナがバリア+エアリー、ラックスがヒール+ガーディアンとガチガチの防御振りであることから、ジャングラーの介入なしにこのBot Duoを潰すのは至難の業です。
②視界が取りやすい
二人がサポートアイテムを持つことで、終盤のワードの個数が4つ増えるため、オブジェクト周りの視界が取りやすくなります(単純に視界の量が増えるだけでなく、相手にコントロールワードやオラクルレンズを多く消費させる側面もあります)。
加えて、ラックスのEの射程距離・視界範囲・効果時間が長いことから、安全なブッシュチェックを行うことも可能です。
③中盤以降に他のチャンピオンにCSを渡しやすい
アテネの血杯やアーデントセンサーなどのバフ系アイテムはコストパフォーマンスが良いこと、自身はゴールド効率の良いサポートアイテムを持っていることから、比較的安価な装備で強くなることができます。
即ち、中盤以降のミニオンを、味方の育てたい対象(バフしたい対象)に譲ることができ、中盤以降のパワースパイクを(多少ではありますが)伸長することが可能です。
④集団戦でのAoEバフ・AoECCが強力
ソナのWとラックスのWという2つのAoEシールドに加え、ソナのUltの存在によってエンゲージ・ディスエンゲージがしやすい構成を構築することができます。
(2)短所
①レーン戦でのキルプレッシャー
レーン戦でのキルプレッシャーが薄く、またBotを押し込まれやすいことから、現在のメタで重要であるドレイクが取得しづらい状況に陥りがちです。
②レーン戦でのゴールドロス
サポートアイテムであるスペルシーフエッジには、以下の通りCS取得に関する制限の仕様があります。
- そのゲームで初めてCSを取った瞬間、5分の「CSカウントタイマー」が始まる。
- このタイマー中に合計で20CSを取得すると、ゴールド取得額が制限される。(-50%からスタート。1CSごとに1%ずつ減少値が加算され、50CS時点で最大の-80%に到達)
- タイマー内のCS取得数に関係なく5分経過でタイマーが解除され、以降、最初に取ったCSから再び5分のCSカウントタイマーが始まる。
以上の仕様から、CSの取り方を工夫したとしてもレーン戦終了時点で得られるBot Duoのゴールドはおおよそ相手のSupportと同程度になってしまい、単純な相手Bot2人でのゴールド差が1k~2kほどついてしまうことになります。(ただ、ソナラックスの場合はラックスが安価なバフ系アイテムを持つことと、サポートアイテム自体の金銭効率の良さによってある程度この不利を補っています)
③中盤以降の失速が目立つ
ドラゴンとヘラルドが重要な現在のメタの中で(ただでさえレーン戦では押し込まれる)ソナラックス以外のチャンプのパワースパイクを終盤に寄せた構成は非常に取りにくいことから、中盤までにパワースパイクを寄せた構成になりやすいと思われます。
加えて中盤以降は、それまでバフ系アイテム・サポートアイテムの金銭効率の良さによって補ってきたゴールド差が徐々にアイテム自体の価値の高さによってひっくり返されていく(進化しきったサポートアイテムのゴールド価値は約1,500g程度である一方で、相手チャンプが積むインフィニティエッジには約3800gの価値があります)ことで、徐々に有利を手放していく形になります。
3.昔流行したソナタリックとの違い
大きな違いとしては、以下の3つが挙げられるでしょう。
- ラックスのEのおかげで視界が取りやすい
- ラックスのE、Ultのおかげでウェーブクリア能力がそこそこある
- 代わりに集団戦の強さは控えめ
4.ソナラックスの目指す構成
(1)ソナラックスが目指す構成とゲームの流れ
前述の通り、Bot以外の他のレーンにキャリーを置き、ソナとラックスのW、アテネの血杯やアーデントセンサーのバフを付与することでキャリーさせる構成です。
一方で、中盤以降の失速が懸念されるため、おおよそ15分まででグローバルゴールド差を3kほど付け、以降はゲーム時間25分程度でゲームをたたむ必要があります。
さて、実戦においてC9は以下の通りシェン・ヘカリム・セト・ソナ・ラックスをピック。
セトにUltでエンゲージさせたところへ、ソナとラックスのW+各種バフ系アイテムの恩恵、そしてシェンのUltのトリプルシールドを付けたうえにソナのEのMSアップで攻撃力の上がったヘカリムを突っ込ませるという構成。
5.ソナラックスに対するTeam Liquidの見事な解答
(1)バンピックにおいて仕込んだ3つの対策
ブルーサイドの2nd 3rdピックでC9がソナラックスをピック。
これを見て察知したTLは、3つの対策を用意しました。
①ブリッツクランク
ブリッツクランクのピックには、単純なレーン戦でのピックアップ狙いのほか、実はもう一つの隠れた狙いがありました。
それは、UltでのAoEシールド破壊。ブリッツクランクのUltには相手のシールドを破壊したうえでダメージを与える効果があるため、ソナ・ラックス・シェン・そしてセトが自身で持つシールドを「瞬時に」「広範囲で」破壊することが可能なのです。
②シンドラ
(まだ相手のMidチャンプが確定しない中で)比較的先出ししやすいピックという意図に加え、Lv6以降のキルポテンシャルによる中盤の安定、更にソナラックスのバフを受けて突っ込んでくるチャンピオンをEのノックバックで弾きつつUltでダメージを入れることを狙っています。
③モルデカイザー
Eのノックバック(またはプル)によって前衛(セト、ヘカリム、シェン)と後衛(ソナ・ラックス)を引き離し前衛にバフを掛けにくくするとともに、キャリー(エズリアル・シンドラ)から相手のヘカリム・セトを引きはがすことでダメージを出しやすくすることを狙っています。
加えて、エズリアル・シンドラを狙ってきた相手をUltでキャッチすることでもキャリーの安全を確保可能です。
以上の3つの対策を踏まえ、TLは、中盤以降にダメージ源となるエズリアル・シンドラの安全を確保し、C9に仕掛けさせた後のカウンターを狙う構成を取りました。
(2)集団戦フェーズ(チームの方針、モルデカイザーとブリッツクランクの活躍)
レーン戦こそ無理に仕掛けてしまい、C9に有利を渡してしまいましたが、以降はドレイクを渡してでも交戦を避け、20分で迎えるエズリアルのパワースパイク(ムラマナ&トリニティフォースの完成)まで我慢しました。
更に、特にモルデカイザーの的確なEにより、前述通り集団戦でキャリーがダメージを出せる環境を作り出すことに成功。
更にブリッツクランクがソナラックスと前衛を引きはがし、バフの付与も妨害。
そして最後の集団戦では、「シンドラの次はエズリアル」とばかりに迫るヘカリム・セトをモルデカイザーが再びEでプルし、エズリアルの安全を確保し勝利に貢献しました。
6.おまけ
最後の集団戦ではブリッツクランクも大活躍していました。
セトの極厚シールド(シールド量約1,500)を貫いてキルを取っていたり。
ブリッツクランクは初心者帯だけでなく、プロシーンでもOPであることが証明されましたね!
(文:あきのあまき)
【あきののろるにっき#24】意外と知られてない!ルーンテラ世界のトリビア【歴史編】
こんにちは、最近ちょこちょこと趣味で動画編集を始めたあきのです。
めちゃ久しぶり(10年くらいぶり?)の編集なので、地道な作業も楽しい楽しい。
さて今回は、ルーンテラ世界のトリビア(歴史編)ということで、意外と知られていないルーンテラの歴史のお話をしたいと思います。たとえば、
- ヴァスタヤシャイ=レイはかつて人間だった
- はるか昔、まだ地図に描かれていないくらいの東から人々がシュリーマ等へ移住してきた
- ノクサス民の先祖はノクシーと名乗っていた
ってことを知らない人は、この記事を見ればとても幸せになれるかもです。
なお、この記事ではノクサスの誕生を0年として年代表記しています。
何故かって?公式が本当にそうしてるからだよー!
- -9000年 始まりの地
- -8000年 三姉妹の戦争
- -6000年 西方大移住
- -5000年 超越者の出現
- -2500年 イカシアの抵抗
- -2000年 アジールの超越失敗
- -550年 ダーキン大戦勃発
- -400年 鋼の魂奪者の君臨
- -25年 ブレスドアイルの崩壊
- -13年 ルーン戦争
- 0年 ノクサスの勃興
- 292年 デマーシアの勃興
- 349年 ノクサスの帝国化
- 772年 ピルト川の悲劇
- 787年 ビルジウォーターの誕生
- 984年 ノクサスによるアイオニア侵攻
- 989年 スウェインによるノクサス掌握
- そして現在……
- おわりに
-9000年 始まりの地
現在はアイオニアと呼ばれる始まりの地で、空の巨人と始まりの地の民の間で大戦争が勃発します。
この民、定命の者の中でも特に賢明であった者たちは、先祖の知恵を求めて霊的領域の力を自ら(=物質世界)に取り入れ、ヴァスタヤシャイ=レイとなりました。
姿を変えることができるうえに不死身で、自然界そのものを操ることができた彼らヴァスタヤシャイ=レイの力により、定命の者たちは空の巨人たちに勝利しました。
なお、このヴァスタヤシャイ=レイはその名からもわかる通り現在のヴァスタヤの祖先ですが、興味深いことに、ヴァスタヤの部族名の一部はかつて巨人を倒したヴァスタヤシャイ=レイの名前(キーラ、チール、ロトルなど)からとられています。
-8000年 三姉妹の戦争
多大な犠牲を払い、原初の神の一柱であるボリベアを打ち負かしたリサンドラ。そんな彼女がヴォイドからルーンテラ世界への侵攻を目論む「ウォッチャー」へ迎合しようとしたことを巡り、三姉妹であるアヴァローサ、セリルダ、そしてリサンドラの間に確執が生まれ、すぐに決定的な対立となりました。
対ウォッチャーの最終戦争はリサンドラの城の城門前(ハウリングアビス)で行われ、彼女はアヴァローサとセリルダ、そして彼女たちの信者の中でも強力な能力を持った人間「アイスボーン」を含む多くの盟友を犠牲にし、ウォッチャーを「真なる氷」の奥深くへと閉じ込めたのでした。
-6000年 西方大移住
遥か東に位置する「忘れられた地」からの移民が、祖先の知識・知恵を携えてシュリーマとヴァロラン大陸に到達します。
その後、移民の子孫がルーンテラ世界において大きな文明を支配し始めることに。
-5000年 超越者の出現
未来の戦争に備えた(ターゴンに存在する)神髄達の導きにより、古代シュリーマ人は都市ネリマゼスにおいて太陽の円盤を使用し、オレリオン・ソルの力を引き寄せて最初の超越者たち(神将)を作り出しました。
強大な身体と魔力を持ち非人間化した彼ら神将を、人々は生ける神として崇拝し、そして彼らが作り上げた帝国は長期に渡って栄えることとなります。
-2500年 イカシアの抵抗
古代シュリーマ帝国による支配から脱却するため、イカシアは戦争の中でヴォイドを解放するという破滅的な策をとってしまいます。
結果、イカシアの首都は即座に崩壊し、何物も見分けがつかなくなるほど穢れてしまいました。
地中から這い出してきたヴォイドは非常に凶悪、そして恐怖の塊のような存在で、強大な力を誇示する古代シュリーマ帝国の神将でさえ、ヴォイドとの戦いに出来ることは多くありませんでした。
結果として、最終的にシュリーマはイカシアの地を永久に放棄することとなりました。
-2000年 アジールの超越失敗
自らが最も信を置いていた奴隷、ゼラスの裏切りにより、古代シュリーマ帝国最後の皇帝であったアジールが太陽の円盤と共に消滅。帝国も完全に崩壊してしまいます。
一方の裏切ったゼラスはアジールの代わりに超越者となり、元々彼が持っていた闇の魔力と混ざり合って、強大な魔力の塊へと進化しました。(その後、ナサスとレネクトンの活躍により、なんとか封印はしたものの……)
そして、皇帝亡き後に残された神将達は、恐怖と悲しみに暮れる帝国民たちを保護しつつ、目的も分からぬままその長大な寿命を生きてゆくことになります。
その事が、彼らに悲しい結末をもたらします。
-550年 ダーキン大戦勃発
アジールの消滅により目的を見失い、またヴォイドとの対面により心に傷を負った神将たちの多くは心と体が歪んでしまいます。
そしてついには自身をダーキンと呼びならわし、世界征服のための軍団を作り出してしまいました。
最終的には、ターゴンに存在する神髄たちの介在によりダーキンたちは自身の武器に封じ込められましたが、これはあくまで「封印」であって、そのすさまじい力を隔離することはできても消し去ることはできませんでした。
最終的に、現代においてはヴァルスの弓矢やケインの鎌、エイトロックスの剣などが人間を乗っ取って顕現しているのは周知のとおりです。
-400年 鋼の魂奪者の君臨
自らを甦らせようとするメイジたちを騙し、武将サン・ウザルはモルデカイザーとして生まれ変わりました。
そして、騙したメイジたちの魂から、強力で凶悪な槌鉾「ナイトフォール」を作り出し、自ら築城したイモータル・バスティオンから物質世界を支配。
しかしながら3世紀ほど後。同盟関係にあった部族、ノクシーが彼をうち滅ぼし、新たに帝国を受け継ぎました。
-25年 ブレスドアイルの崩壊
ブレスドアイルの首都ヘリアに存在する秘密の地下宝物庫で起こった出来事(とある国の王が、王妃を蘇らせるために生命の泉へ王妃の遺体を浸した事件)により、ブレスドアイルにおける霊的領域と物質世界の間に存在した障壁が崩壊してしまいます。
この事件による壊滅的な暗黒エネルギーの爆風がヘリアの街全体を飲み込むと、瞬く間にブレスドアイル全土に広がり、これまで群島を守ってきた白き霧は黒き霧へと変貌し、更に死者の魂は「黒い霧」の中で永遠の苦痛にとらわれることに。
ついに、ブレスドアイルはシャドウアイルと呼ばれるようになり、打ち捨てられました。
-13年 ルーン戦争
ヘリアの崩壊と共に、ヘリアの地下宝物庫に隠されていた危険な魔法の遺物も流出します。世界を破滅させるほどの力を持った「ワールドルーン」もその一つでした。
「ワールドルーン」はたった一度起動しただけで大地を崩落させ、岩盤そのものや空に悲鳴を上げさせ、建物も人も全て消し去り、それまで東へ一日歩かねば到達できなかった海が猛烈な勢いでやってくるほどのものでした。
その後はルーンテラ全土で戦争が激化。世界の一片までもが破滅に向かうような戦争が続きました。
0年 ノクサスの勃興
世界の終末のようなルーン戦争が始まって約10年。ノクシーの中で生き残った者たちは、身の危険からイモータル・バスティオンの中から撤退を余儀なくされました。
しかし、崩壊の中にあってもたくましく生き残った彼らは自らをノクサスと名乗り、「彼らの時代」を、この年この日から始めることとなりました。
292年 デマーシアの勃興
一方のデマーシアの誕生は、ノクサス勃興から約300年後。ノクサスから遥か西で、オーロンによって興されます。(ちなみにこのオーロンの武器はハンマー。現在、それはポッピーに手に預けられています)
ルーン戦争への忌避感から作られたこの国は、未来永劫に魔法から逃れる聖域となることを宣言したのでした。
349年 ノクサスの帝国化
近隣諸国を幾度も強制併合し、最後にヴァロラン大陸の極東にあるドラッケンゲートを陥落させたことで、ノクサスはその力を強大にしました。
この力に自信を深めたノクサスの貴族たちは、「たとえ何千年かかろうとも、ルーンテラ世界をノクサスの旗のもとに統一する!」と息巻き、彼らの中から皇帝を擁立しました。
772年 ピルト川の悲劇
ヴァロラン大陸とシュリーマを結ぶ交易路を支配する商人ギルドが、巨大な運河と海門「太陽の門」を作り上げます。
しかしこの運河の掘削には大きな危険がはらんでいました。度重なる掘削によって、その下に存在した古代の港「ゾウン」の地盤の安定性を損なっていたのです。
ついにはピルト川沿いの地区全体が崩落し、西の海に沈んでしまいました。
(この時人々を救い出したのは、いにしえの女神として崇められていたジャンナだったり)
787年 ビルジウォーターの誕生
一山当てようとする薄汚い野郎どもが、ブルーフレイム・アイルと呼ばれる群島内にある南の島に集いました。
(先住民であるブールの伝道師たちはこれらをペイランギと呼び、蔑みますが……)
文化的な諍いや混乱は何年にもわたって続きましたが、最終的には騒がしい港町へとみな定住し、ここがビルジウォーターとなったのでした。
984年 ノクサスによるアイオニア侵攻
何年にもわたる偵察と準備の末、ボラム・ダークウィル皇帝は大規模なアイオニア侵攻を命じました。
当初こそ抵抗は小規模であったものの、次第にアイオニア中の民兵が反旗を翻し始めます。
ついには、将軍スウェインがイレリアに完全敗北するという、ノクサスにとっては不名誉な「プラシディウムの戦い」を迎え、以降のアイオニアの抵抗運動は組織だったものとなりました。
989年 スウェインによるノクサス掌握
アイオニア侵攻に失敗したスウェインでしたが、5年の月日をかけて準備し、ついに皇帝ボラム・ダークウィルを弑することに成功します。
その後スウェインは1年にも満たない間にアイオニアから完全に撤退、貴族の影響力を低減し、そして三頭政治体制「トリファリックス」を築き上げる等、現在のノクサスの体制を迅速に構築していきました。
そして現在……
そして現在。つまり、現在は、始まりの地が生まれて約1万年、そしてノクサスが勃興してから約1000年くらいの時期にあたります。
おわりに
いかがだったでしょうか。
実はLoLの世界は1万年よりもーーーーっと昔から存在していて、その中でも様々なストーリーが語られているのですが、今回はここまで。
興味が湧いた方は、ぜひオレリオン・ソルやマオカイのストーリーを読んでみてください……!
(文:あきのあまき)