esports観戦が初めてな友達にLJLを楽しんでもらうため、やってあげたい3つのこと
こんにちは、現在ヨシモト∞ホールの中でLJL観戦待機中のあきのです。
神戸からの参戦なので、往復の交通費だけで毎度毎度観戦チケットが8枚買えるくらいお金が飛んでいくのですが、サモナーズリフトでねこばばツイステッド・フェイトを使ってゴールドを稼ぎまくってるので無問題です。
さて、今回はこれまでの記事と少し毛色を変えて、「esports観戦が初めてな人にLJLを楽しんでもらうためにはどんなことをしてあげるといいか?」をテーマにしてみました。
1.なぜこのテーマを選んだの?
ありがたいことに近頃、esports業界への参入を検討する企業からお声がかかり、LJLをご案内する機会が出てきました。
LJLが大好き&日本のLoL人口を増やすという目標を勝手に持っている私は喜んで(休日と新幹線代を犠牲に)ご案内するわけですが、そんな中で私が必ず説明するのが「コミュニティとの付き合い方」のお話です(ここでいうコミュニティは、ゲームプレイヤーやLJLのファン等、多義的です)。
esportsって、事実として「人やコミュニティ」が中心になっている業界で、その業界に参入するならコミュニティとうまくやっていくことは必要不可欠です(ファンサービスの有るチームと無いチームなら絶対前者の方が好感度高いですよね?)。
であれば「仕事として」よりも「このゲームが好きだから(!)」参入してもらった方が、企業にとってもコミュニティにとってもWin-Winじゃないですか。
そして、ゲームを楽しんで、好きになってもらえるよう取り計らうのは案内人たる私のお仕事。
というわけで、今回のテーマである「esports観戦が初めてな人にLJLを楽しんでもらうためにはどんなことをしてあげるといいか?」のコツを近頃考察していました。
そこでふと気がつく私。「あれ?このTips、なにも企業の人相手だけじゃなくて、普通にLoLプレイヤーが友達を観戦に誘うときにも使えるんじゃない?」
そんなわけで、「esports観戦が初めてな人にLJLを楽しんでもらうためのコツ」をこの記事にまとめ上げました。
願わくば、この記事を読んだ方が友達を観戦に誘う際に実践してくれて、一人でも多くのサモナーがLJLを観戦し、サモナーズリフトに降り立ってくれますように!
2.観戦してもらう際の目標
この記事では、観戦してもらう際の目標を「LJLの観戦を楽しんでもらう」ことに絞っています。
ここが本記事で一番重要な点ですが、「LJLの観戦を楽しんでもらう」ために「LoLというゲームを詳しく知ってもらう」という視点は一旦捨て去りましょう。
「LJLを見るのが初めてな人が観戦を楽しむ」ということと「LoLというゲームを詳しく知る」ことは基本的に相反する概念だからです(理由は後述します)。
LJLをひとしきり楽しんでもらった後にゲームの内容にも興味を示してくれたら、そこで初めて詳しいゲーム内容を説明してあげましょう。
3.具体的なコツ
(1)「ゲームを楽しんでもらう」より先に「選手やチームの情報を楽しんでもらう」
当たり前ですが、LJLを初観戦する人(以下、観戦者)は選手の情報を一切知りません。このままゲームを観戦しても「全く知らない人が全く知らないゲームをしている」としかならず、楽しいはずがありません。
こんな状況を回避するために、事前に選手の情報を提供してあげましょう。
ここで大切なのは、伝えるべき情報が「LoLのゲーム内容に関する情報」ではなく「知っておくと観戦が楽しくなる情報(特に選手のバックストーリー)」であること。
私が大ファンであるAXZのDay1選手で、例を挙げさせてください。
①NGな伝え方
「Day1選手はADCで、昔はSCARZに所属してたんだけど、今年はAXIZのスタメンとして活躍してるんだよ」
→Day1選手が「ADCであること」「SCARZに所属していたこと」「今年はAXIZのスタメンであること」は観戦者にとってあまり響かない情報です。
なぜなら、これらの情報を断片的に知ったとしても、ゲーム中のDay1選手を観戦することが楽しくなるわけではないからです。(ADC? SCARZ? AXIZ? と訊き返されるのがオチ)
では、適切な内容とはどんなものでしょうか?
②Goodな伝え方
「Day1選手は一度は引退して解説者になったんだけど、溢れる熱意からプロシーンに舞い戻った熱い選手だよ。インタビューとかでは標準語だけど、普段は関西弁で喋ってて、口癖は『ほんまに』。あと服のセンスがすごく独特で、(画像を見せながら)『袈裟斬り』って呼ばれる服を持ってたりするんだよね。ちなみに高校時代はなぜかシラバスってあだ名で呼ばれてたらしいよ」
→「プロシーンに舞い戻った熱い選手」「口癖」「袈裟斬り」「シラバス」のどの情報に引っかかってくれても、観戦者はDay1選手の人となりがなんとなく感じられるはずです。
そしてその観戦者は、舞台上で真剣に試合開始前のPCセットアップをするDay1選手を見て
「あれが袈裟斬り=シラバス=Day1選手……」
とバックストーリーを思い浮かべて楽しんでくれるようになるでしょう。
更にアッシュというチャンピオンの情報まで教え込むことができれば、観戦者のゲームを眺める目は「全く知らないプロ選手が全く知らないゲームをしている」から「袈裟斬り=シラバス=Day1選手が得意のアッシュを使っている。果たして今回のゲームで彼のアローは当たるのか?」まで一気にステップアップです。
ここまでうまく情報を伝えられたら、いよいよゲーム中のお話です。
(2)観戦者がゲーム内で受け取る「情報量」を適切な量まで減らす
LoLというゲームは一画面に表示される情報量が非常に多いゲームです。10体分のチャンプの位置、CC、サモナースペル、視界等がめまぐるしく変化し、普段見慣れているプレイヤーでも情報処理が追いつかないことがあるでしょう。ましてや初めて観戦する人が把握しきれません。
ではどうすれば良いか?集団戦を例にとって、まずはNG例からご覧ください。
①NGな伝え方
「ブルーサイドはライズがセラフまで完成してるから集団戦有利。フロントラインのブラウムがうまく機能さえすれば勝ちきれるよね。ただ、レッドサイドもサモナースペルは全員上がってるしCCも濃い。バロン前の視界も取れているから、トリスターナのダメージ量次第ではワンチャンあるかも」
→観戦者は「ブルーサイド・レッドサイド」「ライズ・ブラウム・トリスターナ」「フロントライン」「セラフ」等の単語を知らないので、「よくわかんないけどどちらかが有利なんだろう」くらいにしか理解してもらえません。
こんなときは思い切って、観戦者が受け取る情報量を極限まで減らしてあげましょう。
具体的には、例えば双方のキャリーだけに絞って動きを見てもらうという方法が考えられます。
②Goodな伝え方
「左下のチームは青いおじさんが、右上のチームは小さい女の子がダメージを出す係。集団戦になったら、おじさんと女の子のうち先に倒れた方のチームが負けるから、二人がどう動くかだけに注目しててね」
→こんなふうに伝えれば、観戦者が処理すべき情報が「おじさんと女の子の動き」だけになり、格段に集団戦を見やすくなります。
(3)情報を定量化・言語化・可視化する
情報量の多さと同じく問題となるのが、情報の定量化と言語化、可視化です。
ここでの言葉の定義は
くらいの理解でいてください。
具体例を挙げると、例えば「パワースパイクが早い構成」という言葉。
LoLプレイヤーなら馴染みがありますが、観戦者は「パワースパイク?」「早いって具体的に何分までのこと?」とつまづいてしまいます。
であれば、「パワースパイク」を「強い時間帯」と言い換え(言語化)、「早い」を「ゲーム開始から20分経過まで」と言い換える(定量化)と、観戦者の理解も進みやすくなるはずです。
可視化についてはできることが少ない(ゲーム画面の表示内容は運営側しか操作できないため)ですが、(2)で説明したように、注目すべき情報を限定し画面を見やすくしてあげることはできるでしょう。(例えばキル数やグローバルゴールド差、ドラゴン獲得数等の定量化されている数値をフォーカスして説明する等)
そんなわけでNG例とGood例をどうぞ。
①NGな伝え方
「左下のチームはパワースパイクが早い構成だけど15分現在で有利が取り切れていない。逆に右上のチームはパワースパイクが遅いにもかかわらずドラゴンの有利があるし、よく耐えてるからここから逆転できるはず」
②Goodな伝え方
「左下のチームは強い時間帯が20分までで、現時点(15分時点)でチーム全体でのゴールドの差を3,000ゴールドはつけておかないといけないにもかかわらず1,000ゴールドしかつけられてない。逆に右上のチームは20分からが強いにもかかわらず現時点でチャンピオンを強化するドラゴンを2つも取れていて、ここから逆転できるはず」
4.おわりに
今回は「esports観戦が初めてな人にLJLを楽しんでもらうためのコツ」を皆さんに共有させていただきました。
をキーワードにして、一緒にLJLの観戦人口、日本のLoL人口を増やしてもらえればとても嬉しいです!