あきののろるにっき

League of Legends(LoL)に関するさまざまなことを記事にしていきます。 twitterは@AkinoAmaki_LoL

Fakerと共にSKTのMidを務めた男、Pirean。その来歴!

こんにちは、あきのあまきです。

皆さん、先日Sengoku Gamingが出したニュースはもう確認しましたか?

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Sengoku Gamingの公式ページより引用

Blank選手の帰還もとんでもない大ニュース*1で、Sengoku Gamingのフロント陣の手腕に感服しきりなのですが、同時に驚いたのがPirean選手の加入でした。

Blank選手の人となりや実力については、昨シーズンのLJLを見て知らない方はいないと思いますので、本記事ではもう一人の韓国人、「Fakerと共にSKTのMidを張った男」Pirean選手の華々しいイメージとは裏腹な、決して平坦だったとは言えない来歴と、ちょっとしたこぼれ話を紹介したいと思います。

 

 

 

1.プロデビューからLJL移籍までの道のり

(1)2016年春、北米でのほろ苦いデビュー

Pirean選手のプロデビューは2016年春の北米(NA LCS、現在のLCS)に遡ります。

Team ImpulseのMidレーナーとしてプロの花道に立った彼。しかし、その道中は決して順風満帆なものではありませんでした。

初めてのシーズンは9位で終え、プロモーションシリーズ行き。しかし、 2部への降格を賭けた運命のApex Gaming戦は3-1で勝利し、土俵際で粘ります。

が、とんでもない方向から不幸が。春と夏の間にチームが給与不払い・プレイヤーとの契約問題によりNA LCSへの参加権を喪失。代わりにその参加権を獲得したチーム、Phoenix1へ移籍することとなります。

なんとか整った夏の舞台でしたが、彼の受難はそこで終わりませんでした。

 

(2)2016年夏、チームメイトのビザ問題

NA LCSへの参加権を獲得し夏のスタートを切ったPhoenix1は、しかしJG Inori選手がビザの問題により出場できなかった(急遽Zentinel選手を代役に立てた)ことで成績が低迷。途中からInori選手が合流するも十分な成果を上げられず、Pirean選手は再度プロモーションシリーズ行きを余儀なくされます。

しかし今回は調子が良かったPirean選手。余裕の3-0でEcho Foxを下し降格を免れました。

無事に1部に残ったPirean選手でしたが、翌年、初めての体験に見舞われます。

 

(3)2017年春、スタメンを奪われる

2016年に続きPhoenix1に所属したPirean選手でしたが、そのスタメンを同じ韓国人のRyu選手*2に奪われ、サブを埋める形に。出場機会を失い、ついに夏には同じくNA LCSに参加していたTeam EnVyUsへの移籍を決断します。

 

(4)2017年夏、スタメン求めて三千里

Team EnVyUsに移籍したPirean選手。当初こそ、同じMid登録されていたNisqy選手のビザ問題もありスタメンを張るも、のちに再び奪われサブへ。

その後、シーズン途中で再度Phoenix1へ移籍し、調子を落としていたRyu選手の代役を張るもチームの成績は低迷してしまいます。

更にPhoenix1は2018年のリーグ参加権を失い、Pirean選手は脱退を余儀なくされました。

ここでNA LCSと別れを告げた彼は、故郷である韓国の地を踏み、ある意味イチからの出発をやり直すこととなります。

そして、この「やり直し」が彼のプロ人生における転機でもありました。

 

(5)2018年春、SKTで修行!

2018年の春はLCKの名門、SKTelecom T1にサブとして登録を受けます。

試合の出場はなかったものの、チーム活動により着実に実力をつけていきました。

(Fakerの背中を見て練習するというのは、どんな気分だったんでしょうね……?)

そして夏。ついに彼に晴れ舞台が訪れます。

 

(6)2018年夏、LCKデビュー!

2018年夏。SKT全体が大きく調子を落とした中で、ついにチームは最大のテコ入れを行います。それがMidレーナーとしての出場機会をFaker選手とPirean選手で分け合うことでした。

この夏は計19ゲームにスタメンとして登場。チーム全体が苦しい中でも10-9の勝ち越しでシーズンを終えることができました。

2019年、この実績を元に彼は他国へ移籍。実に2015年から4年ぶりのヨーロッパのプロシーン(LEC)参加となるSK Gamingに所属することとなりました。

 

(7)2019年春 プロ初めてのプレイオフ進出

ヨーロッパに舞台を移したPirean選手は、SK Gamingの中心選手として活躍。シリーズを9-9の6位で終え、自身初のプレイオフ進出を勝ち取りました。LECは10チーム中6チームがプレイオフ進出可能

最終的にはSPLYCEに敗北しMSI出場はならなかったものの、彼にとっての具体的な成果の一つと言えるでしょう。

 

(8)2019年夏 SK Gamingでの活動。そして日本へ

春に続きSK Gamingで活躍したPirean選手でしたが、夏はチーム全体が少し調子を落とし、7-11で7位。ギリギリでプレイオフ進出はならず、2019年のシーズンを終えました。

そして来る2020年の春。彼は舞台を極東の地、日本のLJLへ移すこととなりました。

 

 

2.こぼれ話

(1)得意チャンピオン

特に私の印象に残っているのはタリヤです。特に2016年~2017年は多用し、プロモーションシリーズも勝ち抜いた「自信のピック」と言えるでしょう。(当時と現在ではタリヤのスキル性能が変わっているので、2020年のシーズンでピックしてくれるかというと未知数ではありますが……)

(2)チャンピオンプールの広さ

タリヤやリサンドラを筆頭に、ライズやビクター・オリアナといった純メイジ、カルマやルル等のサポートメイジ、アジールやコーキ等のDPS、果てはルブラン等のアサシンまでもが使用可能チャンプとなっており、単純なバンだけでは御しきれない広さを持っていると言えます。

(3)Blank選手との共闘

2018年夏のLCKにおいて19ゲームを戦った彼は、そのうち16ゲームにおいてBlank選手と共にスタメンを務めました。内部でのスクリムも相当積んでいるはずで、互いのコミュニケーションに不安は全く無いでしょう。

(4)その他、役立つ(?)豆知識

①SKT退団するとき、3回も引きとめられて契約更新を勧められた

LoLを初めて最初のシーズン(シーズン2)はゴールドフィニッシュ

③コカコーラとペプシなら断然コカコーラ派

ロッテリアマクドナルドなら絶対マクドナルド派

⑤豚肉と牛肉なら豚肉派

⑥パイナップルののったピザが好き

⑦好きなアイドルはTWICE

 

 

3.終わりに

Pirean選手は、単純なプロ選手としての結果だけ見ると大きな成果を残せていない選手に見えてしまいますが、SKTでスタメンを張ったりSK Gamingを引っ張ってプレイオフまで進出させた力は本物で、実力という面でLJLのMidレーナーの中で明らかに頭一つ抜けていることは間違いないでしょう。
​一方で、懸念点もあります。
それは「日本語でのコミュニケーション能力」、そして「来季からコーチを務めるKarenコーチ(今シーズンまでは通訳だった)との関係性」です。
前者は言わずもがなで、「日本語でのコミュニケーション能力」という大きな枷が、Blank選手&PoohManDuコーチという布陣を擁したSGが6位に低迷する原因の一つとなったとみれば、対策は必須になるところです。
後者もかなり大きな点で、Karenコーチ自身もKRサーバでマスターまで上り詰めた方ではあるものの、より上の実績を持っているPirean選手(ソロランクだけで見ても、2019年12月13日1:24時点で889LP、KRラダーチャレンジャーの164位)にどう手綱を付け、指導するのか*3がSGの浮沈を左右する大きなファクターとなることは間違いないと思います。
 
さぁ、世界トップクラスの「暴れ馬」の手綱をその手中に収めたSengoku Gaming。2020年春・夏のプレイオフにどのように絡んでくるのか?本当に目が離せないチームになりそうです!
 
(文責:あきのあまき    Special Thanks:MIN)

*1:正直、私はシーズン10は5大リージョンに移籍すると思い込んでいました。

*2:FakerとZed vs Zedの1v1をした選手、と紹介すると、分かる人にはわかるのかしら。

*3:この点はBlank選手相手も同様の課題があります。