【あきののろるにっき#18】Uzi選手、引退。立ちはだかったLCKの壁と、ついに掴んだ栄光。
2020年6月3日。Uzi選手が引退を発表しました。
引退理由の一つは、右腕の異変をきっかけに発覚した、2型糖尿病。
「右腕だけ見れば40代か50代」と言われるほどの症状の中、現在、彼は薬を飲みながら治療を続けていますが、服用後はほとんど何も口にできないほどの状態に陥るそう。
このままでは人々が望む「最高のパフォーマンスのUzi」を見せられないことから、引退を決意したとのこと。
「やり残したことはたくさんある」と言う彼。
「もっとやれることはあった、もっとうまくやれた」と言う彼。
曰く、LPLの星。
曰く、メカニカルモンスター。
曰く、Faker選手と並ぶLoLの二大巨頭。
そんな彼の辿ってきたプロ人生。「苦悩」と「LCKの壁」の果ての果ての果てに、遂に栄光を掴んだ彼の半生について、今回は焦点を当てたいと思います。
- 1.2013年 デビューと共にWCSへ。シルバーコレクターへの道の始まり
- 2.2014年 世界初、2年連続での世界大会決勝進出者に。そしてシルバーコレクター
- 3.2015年 移籍、初めての低迷
- 4.2016年 シルバーの呪い。古巣への復帰とLCKの壁
- 5.2017年 シルバーの呪いとLCKの壁、ここに極まる
- 6.2018年 遂に報われる年。MSI優勝と韓国へのリベンジ
- 7.2019年 病状の悪化、成績の低迷
- 8.2020年 キャリアの終わり
- 9.おわりに
1.2013年 デビューと共にWCSへ。シルバーコレクターへの道の始まり
LPLには設立当初の2013年から参加。彼のデビューはRoyal Clubというチームでした。
デビュー時の評価の高さそのままにシーズン3の国内戦を優勝したRoyal Clubは、中国1位の代表としてWCS Season3に参加。
同郷のライバルOh My God、そしてLEC(EU)の強豪Fnaticを倒して決勝に上がりましたが、Faker選手を擁するSKTelecom T1に敗北*1
ここから、彼の、長い長いシルバーコレクター人生が始まります。
2.2014年 世界初、2年連続での世界大会決勝進出者に。そしてシルバーコレクター
Royal ClubはStar Horn Royal Clubに改名。
シーズン開始時には、全幅の信頼を置いていたSupのTabe等の引退等でチームは低迷しますが、その名も偉大なinSec選手とZero選手の加入等によりやや持ち直し、最終的には国内戦で2位に君臨。再びWCSへの出場をもぎ取ります。
WCSのプレイオフでは、国内戦の決勝で敗北を喫した相手であるEDward Gaming、そして3位であったOh My Godを軒並み倒し、ついに世界で初めて「2大会連続でWCSの決勝の舞台に立った男」となります。(チームメンバーはUzi選手以外全員昨年から入れ替わっていたため、当時は彼が唯一の記録保持者でした)
しかし、そんな彼に今回立ちはだかったのはまたもやLCK(韓国)の壁、そして、現在まで定石となっている「組織的に視界を取る戦術」を確立させたチーム、Samsung Whiteでした。
善戦するも決勝戦に1-3で敗れた彼は、2大会連続で優勝を逃すという不名誉を受けることになります。
3.2015年 移籍、初めての低迷
昨年のWCSでの敗北が影響したかどうか、Uzi選手はライバルチームであったOh My Godに移籍。
しかしチームとの呼吸がうまく合わず、結局Springは(プレイオフに進出するも)国内ベスト8(LGDに0-3で敗北)、Summerも7位(VGに1-3で敗北)と低迷。自身のキャリアで初めてWCS出場を逃すことに。
4.2016年 シルバーの呪い。古巣への復帰とLCKの壁
昨年の低迷を受け、SpringはOh My GodからQiao Gu Reapersに移籍。
レギュラーシーズンの前半戦は非常に調子が良かったものの、後半から失速してしまいます。プレイオフでTeam WEに0-3で敗北し、結局4位止まり。レギュラーシーズンで優勝したにもかかわらず、MSIへの出場を逃します。
そして再び移籍を決意した彼は、Summer Splitを前に、Royal Never Give Upと名を変えた、自らを巣立たせてくれたチームに舞い戻ります。
その後は、古巣の水が合ったか一転して彼の調子も上昇。レギュラーシーズンでは圧倒的な優勝を飾ります。
が、ここでも彼がシルバーコレクターぶりを発揮。決勝戦ではまさかの0-3でEDWard Gamingに敗北し、優勝を逃すことに。
辛い記憶を植えつけられつつも、幸いにもチャンピオンシップポイントを稼いでいたRNGはWCS出場を果たせることに。出場後はレギュラーシーズン並の調子を取り戻し、グループステージではTeam SoloMid(LCS)、Splyce(LEC)を下してプレイオフに出場しました。
しかし、その行く手を阻んだのはまたもやLCK、またもやSKT、またもやFaker。準々決勝で1-3の敗北を喫し、中国へ帰る切符を用意することに。
5.2017年 シルバーの呪いとLCKの壁、ここに極まる
2017年は更にシルバーコレクターっぷりに磨きがかかった年でした。
Looper選手、Mata選手という強力なTop、Supがチームを脱退してしまうも、代わりをLetme選手とMing選手という信頼できる2人が埋め、チームは盤石……に見えました。
しかし、Spring、Summer共に「レギュラーシーズンは優勝」「プレイオフは準優勝(Summerにいたっては、EDWard Gaming相手にに2-0までリードしたにもかかわらず2-3でリバーススイープを食らう)」という、クイックシルバーサッシュ銀色に呪われているのではないかというレベルに。
ともあれ、WCSには出場したRoyal Never Give Up。苦手とするLCKのSamsung Galaxy、LEC(EU)のG2 Esportsを倒し、グループステージは首位で突破。
しかし、その行く手を阻んだのはまたもやまたもやLCK、またもやまたもやSKT、またもやまたもやFaker選手でした。(準決勝で2-3でSKTに敗北)
6.2018年 遂に報われる年。MSI優勝と韓国へのリベンジ
苦節6年。気の遠くなるような忍耐。同期選手も次々と引退していった中で、彼にも遂に報われる瞬間がやってきます。
まず、新たなロスターとしてTopにZz1tai選手、JGにFlash Wolves*2より「世界的ジャングラー」と呼ばれたKarsa選手を招き、万全の体制を整えます。
そこからは堰を切ったかのように実績を上げ始めるRNG。Springのレギュラーシーズンで優勝すると、決勝戦でEDward Gamingを破り、遂にUzi選手は2013年以来の国内戦優勝。
その勢いのまま、出場したMSIにおいて、
Top:Khan選手
JG :Cuzz&Peanut選手
Mid:Bdd選手
ADC:PraY選手
Sup:GorillA選手
という、「当時のロール別世界最強候補を集めた」といっても過言ではなかったドリームチーム、その名もKingzone DragonXを3-1で下し、MSI優勝。
更に、アジア大陸最強を賭けたイベントである2018 Asian Gamesに中国代表の一人として出場し、決勝戦では優勝候補と目された韓国を下して3-1で優勝。
WCSこそ準々決勝でG2 Esportsに敗れたものの、十分な結果を残したと言えるでしょう。
7.2019年 病状の悪化、成績の低迷
2019年。病状の悪化に伴い、ついに彼にも翳りが見え始めます。
昨年からロスターはほぼ変更が無かったものの、Springはプレイオフで6位に落ち込みます。
Summerはプレイオフで準優勝したものの、WCSでは彼のキャリアで初めてグループステージ落ちを経験。
その絶望に叩き込んだのは、またもやLCK、またもやSKT、そして、またもやFaker選手でした。
8.2020年 キャリアの終わり
そして2020年。キャリアで初めて長期の休養を取り、Springを欠場したUzi選手は、6月3日、ついに引退を発表。
曰く、Vayneの神。
曰く、1v1世界最強。
曰く、ADC世界最強。
そう呼ばれたUzi選手は、ここにプロ人生の終止符を打ちました。
9.おわりに
Uzi選手のプロ人生、いかがだったでしょうか。
少しでも彼の引退に何かを感じていただいた方は、是非この動画を見てみてください。
きっと、言い知れぬ何かを感じてもらえると思います。
(Merrydayさん、教えていただきありがとうございます)
https://t.co/UPPdoa6OlK
— Merryday (@Merryday_lmn) 2020年6月4日
Uziのインタビュー動画、絶対に見たほうがいいです。心にくるものがある。
(文:あきのあまき)
【あきののろるにっき#17】あきの的、チャンピオンイメージ洋楽集(ヴォイド、ルーンテラ編)
こんにちは、Legends of Runterraで、エズカルマデッキのあまりの弱体化にカルマアニビア構成に乗り換えたあきのです。(最近ここではLoRの話題しかしてないな……)
さて今回も、普段私が聴いている洋楽の中で「この曲、あのチャンピオンっぽい!」と感じた曲を紹介したいと思います。
長かった(?)このシリーズですが、ついに今回が最終回。最後は少し短いけど、是非楽しんでください……!
今回も全曲についてYoutubeのリンク(公式が提供している、著作権法上の懸念の無いもの)を用意しましたので、是非目を閉じてチャンピオンのイメージを思い浮かべながら聴いてみてください。
英語歌詞(今回は仏語歌詞もありますよ!)が分からなくても大丈夫。曲調だけでもそれっぽいものを選んでありますよ。
それではいってみましょう!
1.ヴォイド
(1)カイ=サ ‐ T'en va pas(Elsa)
曲名 :T'en va pas
歌手名:Elsa
唯一の仏語の曲。
落ち着いていて、また少し幼い声色ですが、幼少期のカイ=サだと思えば納得。
だって、歌詞が
「パパ、行かないで。いなくなったら私たちは生きていけない。夜が明けてもここに居て。」
「怖くてたまらない、果てしなく続く夜。パパは私を置いていったの。」
「パパ、いつか戻ってくるって信じてる」
なんですよ?
父であるカサディンが不在の中、10歳の夏にヴォイドに呑まれたカイ=サじゃないですか?
2.ルーンテラ
(1)ナミ - Orinoco Flow(Enya)
曲名 :Orinoco Flow
歌手名:Enya
『オリノコの波』。もう名前からしてナミです。
曲のテンポは海の流れのよう、そして歌詞も「北から南へ、雲海から月の孤島へ。波に乗って未踏の陸地へ、波に乗ってまだ見ぬあの地へ。波に乗って私たちは行けるわ」。
ムーンストーンを創造することのできる「月の神髄」ダイアナを探し、自ら召喚した尽きぬ水の流れに乗りながら陸地を旅するナミにぴったりの曲ですね。
(2)キンドレッド - Scarborough Fair(Simon & Garfunkel)
曲名 :Scarborough Fair
どことなく暗い曲調に死を司るキンドレッドの雰囲気を感じます。
そして何よりこの曲は、一つの曲の中に2つの歌詞が含まれているんです。
子羊と狼、2つで1つの存在であるキンドレッドにふさわしいと言えるでしょう。
3.おわりに
4回にわたって計17曲を紹介してきた、「あきの的、チャンピオンイメージ洋楽集」、いかがだったでしょうか。
この連載を書くにあたって久しぶりにたくさん洋楽を聴きなおしたので、私自身はとても楽しみながら記事を書くことができました。
1曲だけでもいいので、あなたの心に響くものがあればとっても嬉しいです……!
(文:あきのあまき)
【あきののろるにっき#16】あきの的、チャンピオンイメージ洋楽集(デマーシア、ノクサス、バンドルシティ、ビルジウォーター編)
こんにちは、Legends of Runterraで、2コストスペルをガン積みした慧眼の捜査官採用のエズカルマデッキを使い始めた3日後にナーフ宣告を受けたあきのです。ドローソースもカルマも弱体化したのでイチから構成組み直しだぜ……
さて今回も、普段私が聴いている洋楽の中で「この曲、あのチャンピオンっぽい!」と感じた曲を紹介したいと思います。(あとこれが3回目。あと1回だけあるよ!)
前回はイシュタル、ターゴン、シャドウアイルでしたが、今回は盛り沢山、デマーシア、ノクサス、バンドルシティ、ビルジウォーター編だよ!
全曲についてYoutubeのリンク(公式が提供している、著作権法上の懸念の無いもの)を用意しましたので、是非目を閉じてチャンピオンのイメージを思い浮かべながら聴いてみてください。
英語歌詞が分からなくても大丈夫。曲調だけでもそれっぽいものを選んでありますよ。
それではいってみましょう!
1.デマーシア
(1)ルシアン - Welcome To The Black Parade(My Chemical Romance)
曲名 :Welcome To The Black Parade
どことなく暗い出だし。そして「死」がテーマの一つであるこの曲は、最初聴いただけではむしろスレッシュの方が似合うと思うかもしれません。
しかし、その歌詞は「息子よ、君は自身の中に住まう悪魔や不信神者、奴らの企む計略を破ることができるか?」「息子よ。いつか私がいなくなるときも、私の亡霊がお前を夏のブラックパレードに導こう」というもの。これはまさに、父ウリアスから光の守護者の人を受け継ぎ、黒い霧に対峙するルシアンとリンクします。
更に、中盤からの「君が死んでいなくなっても、君の記憶はずっと続いていく」という歌詞も、セナ(そしてスレッシュ)をずっと追い続けたルシアンを歌っているかのよう。
2.ノクサス
(1)ドレイヴン - Eye of The Tiger(Survivor)
曲名 :Eye of The Tiger
歌手名:Survivor
まず、曲を聴けば「ドレイヴンっぽい!」と思うでしょう。闘技場に向かって通路を進むドレイヴン。その興奮と気合が見えるかのようです。
一方で歌詞には「?」と思う方もいるかもしれません。その出だしは「裏通りで立ち上がる。ついにチャンスを掴んだんだ。自分の足と生きる意志で、今ここに戻ってきたのだ」。
でも実は彼、一度、闘技場の人気がなくなった際に落ちぶれ、無一文になるほど挫折しているんです。
この曲はまさに、その後にノクサス皇帝ボラム・ダークウィルを始末し、再度スターダムにのし上がったドレイヴンらしい曲と言えるのではないでしょうか。
3.バンドルシティ
(1)トリスターナ - Up!(Shania Twain)
曲名 :Up!
歌手名:Shania Twain
明るい曲調のこの曲は、トリスターナへ。
全体として「どんなに今が最悪の状況でも、気分を上げていこう。ここからは上がっていくしかないんだから」というシンプルな内容を歌っていて、前向きで天真爛漫な彼女にぴったりです。
4.ビルジウォーター
(1)ツイステッド・フェイト - Don't Stop Believin'(Journey)
曲名 :Don't Stop Believin'
歌手名:Journey
少し明るすぎるかもしれませんが、ツイステッド・フェイトには敢えてこの曲を。
彼にこの曲をあてがったのはこの歌詞が理由です。「満たすために一生懸命働く。皆、スリルを求めている。もう一度サイコロを振るためなら、何だって差し出すのさ」
(2)グレイブス - Wonderwall(Oasis)
落ち着いた出だし。そして「今日はとうとう奴らが復讐に来る日だ。お前は自分自身が何をやったのかに気づくべきだったな。お前のことをこんなに思っている奴は俺くらいなもんさ」という歌詞。
これ、まじでこれですよね?
5.おわりに
今回はデマーシア、ノクサス、バンドルシティ、ビルジウォーター編ということで、5曲のチャンピオンイメージソングを紹介しました。
個人的にはルシアンの曲とグレイブスの曲がほんとにそれっぽいなーと思いながら記事を書いてたりしました……!
(文:あきのあまき)
【あきののろるにっき#15】あきの的、チャンピオンイメージ洋楽集(イシュタル、ターゴン、シャドウアイル編)
こんにちは、最近はLegends of Runterraでアニビアカルマの激重コントロールデッキを使っているあきのです。序中盤の10ターンでネクサスが壊されなければ勝ち。
昔からどんなカードゲームでも、アグロよりコントロールの方が好きなんですよねー。
さて、今回は前回に引き続き、普段私が聴いている洋楽の中で「この曲、あのチャンピオンっぽい!」と感じた曲を紹介したいと思います。
前回はシュリーマとアイオニアでしたが、今回はイシュタル、ターゴン、シャドウアイルですよ!
全曲についてYoutubeのリンク(公式が提供している、著作権法上の懸念の無いもの)を用意しましたので、是非目を閉じてチャンピオンのイメージを思い浮かべながら聴いてみてください。
英語歌詞が分からなくても大丈夫。曲調だけでもそれっぽいものを選んでありますよ。
それではいってみましょう!
1.イシュタル
(1)マルファイト - Africa(TOTO)
楽曲名:Africa
歌手 :TOTO
どことなく原始的な響きのある楽器も混じったこの曲は、クムングジャングルの奥深くに潜むイシュタルのイメージに似合います。
そのイシュタルに属するチャンピオンの中でも、数え切れないほどの世紀を経て(おそらく苔むして)目覚めたマルファイトが、雨がテーマの一つとなっているこの曲の主役になるのではないでしょうか。
2.ターゴン
(1)タリック - Bridge over Troubled Water(Simon & Garfunkel)
楽曲名:Bridge over Troubled Water
守護の神髄であり、ルーンテラの生命、愛、美の守護者として力を発揮するタリック。
普段は穏やかな性格の彼には、静かなスタートのこの曲。
歌詞も「君が涙するときは乾かそう」「辛いときには私が君の代わりになる」「君が人生が輝き、新たな船出をするとき、友人が必要なら私がすぐ後ろに付き添おう」と、守護者たるタリックに相応な内容になっています。
(2)ソラカ - True Colors(Cyndi Lauper)
「悲しい顔ね、落ち込まないで」
「心の中の闇が、あなたを小さな存在だと感じさせてしまうのね」
「でも私にはあなたの中で輝く、本当の色が見えるわ。その色が、あなたを好きにさせるのよ」
という歌詞。
そして、優しくもサビでは力強くなるこの歌声はまさに、定命の者たちが混沌と不安と苦難に陥ったのを見て、苦痛を受けてでも定命の者たちを癒す旅に出たソラカの慈愛の如く、といった感じです。
3.シャドウアイル
(1)ヨリック - Honesty(Billy Joel)
楽曲名:Honesty
歌手 :Billy Joel
「誠実」という名前のこの曲の歌詞は、ひたすらに「誰だって不誠実で、誠実さなんてものは人生でほとんど出会えない。でもそれこそをあなたに求めたい」という事を歌っています。
わが身の全く知らない内に故郷を穢され、それでもシャドウアイルの死者たちを解放しようとするヨリックにこそふさわしい曲と言えるでしょう。
3.おわりに
今回はイシュタル、ターゴン、シャドウアイル編ということで、4曲のチャンピオンイメージソングを紹介しました。(本当はイシュタルにキヤナも入れたかったんですが、イシュタルのような少し原始的な響きがありつつも凛とした高貴さを表現している曲がなかなか思い当たらなくて……)
この中で1曲でも「確かにそれっぽい!」って思ってもらえる曲があれば嬉しいなと思います……!
(文:あきのあまき)
【あきののろるにっき#14】あきの的、チャンピオンイメージ洋楽集(シュリーマ、アイオニア編)
こんにちは、音楽を聴きながら仕事をすると、とっても捗るあきのです。
今回はまた少し変わり種ということで、普段私が聴いている洋楽の中で「この曲、あのチャンピオンっぽい!」と感じた曲を紹介したいと思います。
全曲についてYoutubeのリンク(公式が提供している、著作権法上の懸念の無いもの)を用意しましたので、是非目を閉じてチャンピオンのイメージを思い浮かべながら聴いてみてください。
英語歌詞が分からなくても大丈夫。曲調だけでもそれっぽいものを選んでありますよ。
それではいってみましょう!
1.シュリーマ
(1)アジール - Viva La Vida(Coldplay)
楽曲名:Viva La Vida
歌手 :Coldplay
荘厳な曲調もそうですが、歌詞の一部が本当にアジールにシンクロしています。
歌いだしが「私はかつて世界を支配していた。あらゆることが思い通りだったのに、今は目が覚めると一人」。
そして「一瞬だけ栄光を手にしたけれど、次の瞬間気づいた。私の城は砂と塩の柱の上に建った、砂上の楼閣だったんだ」というサビ。
もはや曲を聴いた瞬間に、栄華を極めた(そしてゼラスとの悲しいすれ違いにより一瞬にして崩壊した)古代シュリーマの王、アジールを思い浮かべるレベル。
(2)タリヤ - A Thousand Miles(Vanessa Carlton)
楽曲名:A Thousand Miles
歌手 :Vanessa Carlton
サモナーズリフトでは元気にウィーバーウォールで駆け巡るタリヤですが、実は彼女、家族の安否を確かめる為、ヤスオに教えを請うたアイオニアを旅立ってシュリーマの故郷を目指す旅路の途中なのです。そんな彼女にはこの曲。
「足早に人々の間を通り抜け、家路を目指す。あなたにとても会いたくて、どれだけだって歩いていくことができるのよ」という歌詞と、流れるような優しい声は、本当にタリヤを想像させます。
2.アイオニア
(1)カルマ - Book of Days(Enya)
楽曲名:Book of Days
歌手 :Enya
自然をイメージした曲調が、まずはアイオニアにぴったり。
そして歌詞の出だしが「一日、一晩、一瞬、私の夢は明日にでも…… 東へ西へ、大地も海も超えてまっすぐ行くのが私の旅路。そしてこれが私の人生の一ページ」から始まります。
更に続く歌詞では、たとえその道中で厳しく辛いことがあっても、はるか遠い旅路の最後のページまで歩き続けることが示唆されており、アイオニアの指導者として人生の最後まで(そしてその後も)歩んでいくカルマにふさわしい曲だと感じます。
(2)ラカン - Just The Way You Are(Bruno Mars)
楽曲名:Just The Way You Are
歌手 :Bruno Mars
ポップな曲調に載る歌詞は、ただひたすらに「彼女の瞳は星より輝いてる」「顔を見ても変えたいところなんてない」「君が笑うと世界が止まってしまう」と愛を伝えるもの。
その歌詞のストレートさは、まさにザヤへ愛を伝えるバトルダンサーのための曲といえるでしょう。
(3)ザヤ - Kiss Me(Sixpence None The Richer)
楽曲名:Kiss Me
普段は苛烈でも、ラカンの前でだけは弱さを見せるザヤにはこの曲を。
ムードのある音の並びと、「銀色の月のきらめきの下で手を取って、音楽に合わせてホタルのダンスを踊りましょう」という歌詞は、バトルダンサーを相棒に持ち、踊るように羽を飛ばして攻撃するザヤにぴったりです。
3.おわりに
今回はシュリーマ・アイオニア編ということで、5曲のチャンピオンイメージソングを紹介しました。
この中で1曲でも「確かにそれっぽい!」って思ってもらえる曲があれば嬉しいなと思います……!
(文:あきのあまき)
【あきののろるにっき#13】まるでLEC!バックドアを敢行したDFMの「疾駆」と、それを防いだEnty選手の「冷静沈着」
こんにちは、あきのです。
皆さんは昨日のLJL2020 Spring Split Finalsを観戦されましたよね?
プレイオフで一度はSGに敗れていたDFMが、ドラフト段階から高い修正力を発揮してリベンジを果たしたシリーズでした。SGのストロングポイントであるBotに対し真っ向から勝負を仕掛け、打ち破ったDFMは、まさに優勝にふさわしいチームであったと思います。
……ですが、皆さんも分かっているのではないでしょうか?
観戦していて一番刺激的だったゲームは?
そう、SGがAA1発の差でバックドアを防ぎきり、勝利を果たしたGame3のはずです。
今回はそのGame3、まさにDFMがバックドアを敢行した直後の場面から、DFMの行動とSG(主にEnty選手)の行動を紐解き、
「何故DFMはバックドアを決められなかったのか?」
「なぜSGはバックドアを防ぐことができたのか?」
を確かめていきたいと思います。
まずは一連の流れを思い出していただきたく、下の動画をご覧ください。話はそこから始めましょう。
- 1.バックドア開始までの流れ
- 2.バックドア開始後
- (1) 39:50 DFM:アジールがMidのミニオンを攻撃
- (2) 39:52 SG :スレッシュがバックドアを察知
- (3) 40:02 DFM:SG側のテレポートをキャンセル
- (4) 40:09 SG :スレッシュによるネクサスタワーシージの妨害
- (5) 40:12 DFM:ナーがジグスのUltを被弾
- (6) 40:13 DFM:アジールがフラッシュを使用
- (7) 40:14 SG :スレッシュがランタンを設置
- (8) 40:16 DFM:ナーがAAキャンセルをミス
- (9) 40:16 SG:スレッシュがフックでアジールをキャッチ
- (10)40:20 DFM:ナーのフラッシュインUlt
- (11)40:21 SG :ジグス登場
- (12)40:22 SG :ジャーヴァンⅣがアジールをノックアップ
- (13)40:26 SG:残るDFMメンバーのキル
- (14)40:44 DFM:カルマのバックドア失敗
- (15)41:15 SG:逆転勝利
- 3.おわりに
1.バックドア開始までの流れ
(1)DFMの動き
DFMは複数人でのバックドアをすると見せかけ、既にマウンテンドレイク前に位置していたSGを強制的にリコールさせることに成功します。(画面右下のミニマップをご覧ください)
これでドラゴン前のポジションの有利を得たDFMは、ナーとアジールのバックドアを敢行すると同時にドレイクを触る事でSGをドラゴンピット前へ釣り出し、バックドアの成功率を高めています。
(2)この時点におけるオブジェクト周りの状況
①SGの陣地の状況
TopのインヒビターとMidインヒビタータワーに加えてネクサスタワーが1本破壊されており、更には残り1本のネクサスタワーも残りHPが3割。DFMはTop・Midの両方から侵入し、バックドアを行える状態です。
②ドレイクの取得状況
両チームとも3ドレイクを所持しており、(既に沸いている)次のマウンテンドレイクを取得した方がドラゴンソウルを獲得することになります。
マウンテンソウルは非常に強力なため、SGとしてはDFMに渡したくない状況。
2.バックドア開始後
ここからは秒単位で変化する状況を逐次追っていきます。(DFM側のチャンピオンは青文字で、SG側のチャンピオンは赤文字で記載しています)
(1) 39:50 DFM:アジールがMidのミニオンを攻撃
まずは下の動画において、右下のミニマップにおけるアジールの挙動をご覧ください。
SG側のスーパーミニオンの前でやや立ち止まっているのがお判りでしょうか。
メイン画面がドラゴンピットを映しているので詳細は不明ですが、おそらくW(目覚めよ!)で兵士を召喚し、スーパーミニオンを1発攻撃した後、E(流砂の衝撃)で兵士の場所へブリンクしたものと思われます。
バックドアの為には何より早くネクサス前に到達することが重要であるところ、結果的にこのタイムロスは大きなものになりました。
(2) 39:52 SG :スレッシュがバックドアを察知
アジールがドレイクの攻防戦に寄らずネクサスへ向かっていること、及びナーがドレイク前に見えない事からバックドアを察知したスレッシュは、即座に単騎でネクサスタワーの防衛に回ります。
(3) 40:02 DFM:SG側のテレポートをキャンセル
ドラゴンソウルの争奪戦に勝利したDFM。
バックドアを防ぐためにネクサス前に戻ろうとするエイトロックスのテレポートを、セトがフラッシュインからのE(フェイスブレイカー)でノックバックさせ妨害します。
実はこの妨害、本当にギリギリのタイミングで、テレポートの詠唱完了(4秒)の寸前(3.9秒)時点でのキャンセル。
フラッシュインしていなければ絶対に間に合っておらず、セトのこの動きはまさに値千金でした。
(4) 40:09 SG :スレッシュによるネクサスタワーシージの妨害
ネクサスタワー前に到着したスレッシュは、アジールにイグゾーストを掛けたうえでE(絶望の鎖)でノックバックさせます。
ナーよりもシージ能力の高いアジールに妨害スキルのリソースをつぎ込んでおり、この状況であってもEnty選手が冷静に判断していることがうかがえます。
(5) 40:12 DFM:ナーがジグスのUltを被弾
ネクサスへの戻り際にジグスが放ったUlt(メガインフェルノボム)がナーに当たり、HPが2割削れることに。
ですが、画面左下に表示されているスキルのクールダウン表記を見ていただければわかる通り、このUltはE(ぴょんぴょん)で回避可能でした。
もし冷静に回避していれば生存時間が延び、ネクサスを破壊しきれたはずだっただけに、非常に惜しい判断ミスとなりました。
(6) 40:13 DFM:アジールがフラッシュを使用
アジールがスレッシュによるリデンプションの攻撃を回避するため、フラッシュを使用します。
しかし、自身の体力がMaxであり更にマウンテンソウルのバフもあること、リデンプションにはCCが無い(=ネクサスへ与えるダメージが変わらない)ことを考えれば、非常に難しい判断ですが、リスクを冒してでも歩いて回避するか素直にダメージを受けておくべきでした。
そして、このフラッシュ使用は後に大きな影響を及ぼします。
(7) 40:14 SG :スレッシュがランタンを設置
ギリギリのネクサス攻防戦の中でもスレッシュは冷静にランタンを設置。これによりジャーヴァンⅣの合流速度が数秒早くなり、結果的にネクサスの破壊を防ぐ要因となりました。
(8) 40:16 DFM:ナーがAAキャンセルをミス
以下の動画をご覧ください。
たった一度だけですが、ナーがAA→移動の操作を誤り、AA一回分のタイムロスが発生しています。
(9) 40:16 SG:スレッシュがフックでアジールをキャッチ
スレッシュがQ(死の宣告)によりアジールをキャッチ。このQは、先程リデンプションの回避にフラッシュを使っていなければ避けられたはずでした。
更に見逃せないのは、この際のEnty選手によるフックの撃ち方。こんなギリギリの状況であっても、フックを投げる方向が見難くなるよう、敢えて横を向いてからスキルを放っています。ここからも、Enty選手の類まれな冷静さがうかがえます。
更に、キャッチしたアジールの元へブリンクすることでアジールのUlt(皇帝の分砂嶺)の壁を無効化し、更にジャーヴァンⅣをアジールの至近に引き寄せるメリットまで生み出しています。
(10)40:20 DFM:ナーのフラッシュインUlt
SG側のチャンピオンが揃い、アジールがキルされると気づいたナーがフラッシュインからUltを発動。
これにより、ミス・フォーチュンとジャーヴァンⅣをスタンさせ、スレッシュをノックバックさせることに成功します。
ナーのこのファインプレイにより、アジールのAA3発分の時間を稼ぎました。
(11)40:21 SG :ジグス登場
ギリギリまでダメージを稼いだナーでしたが、戻ってきたジグスのQによってついに倒れます。これでネクサスをシージするダメージ源はアジールのみとなりました。
(12)40:22 SG :ジャーヴァンⅣがアジールをノックアップ
ナーのUltでスタンされる直前に挿しておいたおいたE(デマーシアの旗印)にむけてジャーヴァンⅣがQ(ドラゴンストライク)。
これでアジールをノックアップさせ、ミス・フォーチュンがキル。これでついにDFMがネクサスをシージする手段がなくなりました。
(13)40:26 SG:残るDFMメンバーのキル
最後の詰めとしてネクサスに向かうアフェリオスをエイトロックスが大きく削り、ミス・フォーチュンがキル。更にセトも落とし、DFM側の残りはカルマのみに。
(14)40:44 DFM:カルマのバックドア失敗
カルマが単騎でバックドアを試みるも、無情にもこのタイミングでインヒビターが復活、ネクサスのシージが不可能に。これでDFM側の勝利はなくなりました。
(15)41:15 SG:逆転勝利
一転攻勢、ジグスとミス・フォーチュンがDFM側のMidレーンを貫き、ネクサスを破壊。SGの勝利となりました。
3.おわりに
ナーがジグスのUltを食らっていなければ。
アジールがスレッシュのQを避けるためにフラッシュを残せていれば。
ミスに関するifはどこまでもキリなく連ねることができるのかもしれませんが、それ以上にこの記事ではEnty選手を称えさせてください。
Enty選手はネクサス前でどこまでも冷静でした。
アジールとナーを比較し、シージ能力の高いアジールに全スキルを費やして妨害し。
アジールとナーのリソースを削るため、適切なタイミングでリデンプションを使い。
ギリギリの攻防戦の中でもきっちりランタンを設置してジャーヴァンⅣを呼び寄せ。
方向を読みにくいフックを投げてアジールを捕まえました。
そのどれか一つでも行えていなければ、3-0でDFMの優勝が決まっていたでしょう。
「絶対にバックドアさせない」という意志のこもったEnty選手の「冷静沈着」は、まさにプロ選手のそれでした。
好勝負を、ありがとうございました。
(文:あきのあまき)
【あきののろるにっき #12】「ヴェル=コズちゃんの解析Bot」を作った話。
こんにちは。LCKで応援していたGen.GがT1に完敗し、意気消沈のあきのです。
Gen.Gの勝ち筋が見えないほどに完璧な試合運びだったT1、素晴らしかったですね。惜しむらくは、彼らが優勝して進むはずだったMSIが中止となってしまったことですが……
(ちなみに、初めて知ったんですが、T1のTopレーナー Canna選手の名前の元ネタって小林さんちのメイドラゴンだったんですね)
さて今回は、私が自作したdiscord Bot、名付けて「ヴェル=コズちゃんの解析Bot」の紹介記事です。Universe勢にとって便利なツールを作れたはず!
1.何をするBotなの?
LoLの公式設定集であるUniverseの更新をキャッチし、どの部分が更新されたのかを特定して、こんな感じでヴェル=コズちゃんがつぶやいてくれます。
2.なんでこんなものを作ったの?公式からのお知らせじゃだめ?
以前は公式から物語のパッチノートが出ていたんですが、ある時から特に通知されることなく内容が変更されるようになり、現在はきっちり目を光らせておかないといつ何が変わったのかが把握できない状況なんです。
例えば最近の例で行くと、オレリオン・ソルを騙して王冠を被らせ拘束したのがターゴンの民から神髄に変わったりと、かなり大きな変更が(通知なしで)行われていたり。
そんな状況を解決するために「ヴェル=コズちゃんの解析Bot」は生み出されました。
3.どこまでの範囲をカバーしてるの?
現在は全チャンピオンのメインページ、バイオ、カラーストーリーのテキスト変更に対応しています。
加えて、近々以下のものにも対応予定です。
(1)対応予定その1:各地域(アイオニア、デマーシア等)
- メイン画面に記載されている地域紹介テキスト
- イメージギャラリーに記載されている設定資料
(2)対応予定その2:もう1つのユニバース
- スターガーディアン :全チャンプのバイオ及びカラーストーリー
- オデッセイ :同上
- K/DA :同上
※最終目標はルーンテラのマップに関する更新の取得ですが、これはそうとう難しそうなのでいつになるやら。
4.Botの公開予定は?
あります。
が、「ヴェル=コズちゃんの解析Bot」、実は今週の平日5日間の空き時間という突貫工事で作ったものなので、しばらくは動作確認しつつ、各地域ともう1つのユニバースへの追加対応を終えたタイミングあたりで公開できれば良いなと思っています。(公開時にはTwitterで告知します)
Discord Botの導入はめちゃ簡単なので、公開のあかつきにはUniverse好きの方に使ってもらえるととても嬉しいですー!
(文:あきのあまき)